世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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岩国市民の選択結果と無視された観点

3月7日のエントリーに書いた、米軍艦載機移転受け入れの可否を問うた岩国市の住民投票。
12日に行われた投票は投票率が50%を越えて成立し、予想通り「受け入れ反対」が多数を占めました。
「予想通り」というのは、「受け入れ賛成」を主張する人々が棄権を主張したため、こうなることは火を見るより明らかだったからです。
私個人としては、「受け入れ賛成」を主張する人々には棄権などせず、「自らの意思を示すために」正々堂々と投票して欲しかったのですが。

住民投票を推進する立場の『“住民投票へ行こう!!”Blog』経由で、岩国市のホームページの開票結果を見てみました。
当日有資格者数 84,659人
受け入れに賛成 5,369人(6.3%)
受け入れに反対 43,433人(51.3%)
無効票・その他 880人(1.0%)
棄権者数    34,977人(41.3%)
括弧内のパーセンテージは、「当日有資格者数」を母数として割合を算出したものです。
棄権者を「受け入れに賛成」と仮定すると有権者数の47.7%を占めます。
まさに市を二分した投票であったことが判ります。
ただし棄権は有効投票とは認められませんから、市の公式見解は「受け入れに反対が大多数」です。
ここで「受け入れ賛成派も意外に多かったのだ」と主張することは可能ですが、それでは昨年の総選挙の結果を見て野党が「自民党に投票しなかった人は全て“郵政民営化”に反対だから、棄権した人も含めて民意は『“郵政民営化”反対』だ」と強弁したのと同じになりますから、敢えて主張しません。
ただ、受け入れ賛成派の多くが住民投票に背を向けたのは、賛成派・反対派を問わず投票を呼びかけていた、上記『“住民投票へ行こう!!”Blog』の「移駐賛成(容認)派談話室」に賛成派の書き込みが皆無であることからも明らかでしょう。

この結果を受けて、一部のマスコミやブロガーは「『米軍基地反対』の民意が示された」と大喜びです。
もちろん、普段から米軍や自衛隊、そして日本政府に好意的でない人たちが多いから当然ですが。
その人たちが受け入れ賛成派をどう見ているかというと…

◆『imacoco G-Brog
「岩国市の多くの住民は、札束の力で魂を売る事が出来るかどうか?」
【中略】
原発・米軍・ゴミ処理場。
…人間の心の闇は、未来を生きる人達に、膨大な負の遺産を遺す事になる。
◆『「じろー」さんのプチサバイバルな日々
後は、米軍基地に対して我慢を強いられてきた住民の民意が反映されることを祈るばかりです。
◆『山楽日記と下界通信
当初基地強化に反対ポーズをとっていた二井山口県知事や岩国市議会の多くが移転賛成に回り、投票率50%を阻止するために盛んに運動を強めていましたが、市民はこの妨害を跳ね返して、米軍基地強化にNO! という結論を下しました。
◆『自然体
 日本の世論が、これ以上、右に偏れば、日本が戦場になる確率が非常に高くなる。
【中略】
 目先の利益に飛びつくと、子や孫の代に、大きな迷惑を掛けることになる。
どうやら「金で魂を売り、住民に米軍の犠牲になることを強いる、子孫に迷惑を掛けて恥じない人間で、市民ではない」ようです。
左翼方面の方が良く使う“悪魔化”の手法ですね。
そして受け入れ反対派はその逆で、正義と。ああ、ステレオタイプ。
受け入れ賛成派も岩国市で生活する、同じ岩国市民なのですが。
結局、岩国市民の立場になって考えるのではなく、自らの希望通りに岩国市民が行動することを望んでいただけなのですね。

同じ受け入れ反対派でも、こちらの方のブログ↓のように岩国市に住む者としての視点で考えた結果なら、説得力もあろうというもの。
◆『たまに書いてみる(^^;』の2月28日のエントリー

余談ですが、imacoco 氏が「米軍」と「原発」「ゴミ処理場」を同列に挙げられているのは、なかなか興味深いです。
いずれも、その恩恵をしっかりと受けていながら、自分の近くにあっては困る“迷惑施設”。
米軍の役割は、それなりに評価されているようです。

さて、「『米軍基地反対』の民意が示された」と喜ぶ外野の方々が、全く触れない観点があります。
それは「厚木基地の騒音問題」。
岩国基地の沖合移動と、厚木基地からの艦載機部隊の移駐。これはどちらも「騒音対策」を目的としています。
移駐を認めないということは、「厚木基地の周りの住民は、これまで通り騒音に苦しんでいればいい」と言うことなのですが、彼らはその点を無視しています。
それは誠実な態度ではありませんね。
「基地廃絶」などとにわかに実現不可能な目標を掲げるより、在日米軍が存在するという現実の中での住環境改善を模索する方が、はるかに住民のためになると思うのですが。

【追記】
参考になるエントリーがあったので、備忘録も兼ねてご紹介。
◆『メタモルフォーゼ・ニッポン』の3月13日のエントリー「岩国の住民投票は成立、反対の意思は示せたが・・・
コメント欄の「これは部隊移転反対の投票であって基地反対の投票ではないのだが。」には同感です。
艦載機が沖合の滑走路を使用しないかどうかは、確認できないので「?」ですが。
◆『第三政経塾』の3月13日のエントリー「やっぱり「岩国」キャンペーン
TBSの『ニュース23』は、やっぱり“あのニュース23”だったというお話し。

【3月15日 追記】
◆『チェ・ゲリラの時事評論』の3月14日のエントリーに着目。
要するに、日本人にとって日本の安全は自明なのです。換言すれば、米軍基地は必要のない迷惑施設であり、ごみ処理場以下の存在。だから、補助金を大盤振る舞いしても負担増に応じる所がないとは言わないけれど、極めて少ないのですよ。
ここまではっきり言われるとねぇ…。否定しきれない現実が、辛いです。
今の私の考え方に比較的近いのが、ここ↓の意見でしょうか。
◆『おおかみの独り言』の3月13日のエントリー
私自身は“日米同盟”そのものの価値には若干懐疑的ですが、基地問題の現実解を考えるとこれ↑に同意せざるを得ません。
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-14 22:54 | 政治・軍事・外交