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世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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WBCと“熱い”イチロー、そして「国の代表」

エキサイトのニュースから。
◆毎日新聞 3月21日
<国別対抗野球>王ジャパン世界一 10-6でキューバ降す
 野球の国・地域別対抗戦、第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は20日、当地のペトコパークで決勝を行い、日本が10―6で五輪優勝3度のキューバを降して初代王者に輝いた。
“WBC”。
最初はボクシングの話かと思っていました。
「WBC世界ジュニアフライ級チャンピオン~」って聞いた覚えがありますから。
確かに「WBC:世界ボクシング評議会」です。
でも今回は「ワールド・ベースボール・クラシック」の方の話。
要は「野球のワールドカップ」みたいなものですね。



この大会、アメリカ大リーグ主導で強引に決められたこともあって、実現までに紆余曲折があった訳ですが、報道は都度聞いていたものの、それほど興味はありませんでした。
「あの選手が出ない。この選手も出ない」でしたし。
こんなニュース↓もありましたしね。
◆中日スポーツ 1月12日
WBC親善大使のラソーダ氏激怒 「ゴジラと井口の辞退に失望」
 かつて野茂をメジャーに受け入れ、日米の野球の架け橋となってきたラソーダ氏にとって、松井秀と井口のWBC参加辞退は裏切られたような思いだったのかもしれない。78歳にもかかわらず、大会をPRする親善大使として来日した同氏は、外国メディアの特派員たちを前にした講演で公然と両選手を非難した。
 「松井と井口が代表を辞退したことには失望した。なぜ国のために戦おうとしないのか
◆サンケイスポーツ 1月13日
ラソーダ氏、タジタジ…松井秀、井口の再考訴えも
にこやかに会見に登場したラソーダ氏は当初晴れやかだった。「王さんのために、この国のベストメンバーを集めるべきだ。松井と井口が今ここにいれば、この国で生まれ育ったことを考えて恩返しするべきだと言う」と日本人選手の相次ぐ辞退者を非難した。
だが実際は米国でも辞退者は続出。その現実を突きつけられると途端に雲行きが怪しくなった。
【中略】
また米国政府がキューバの参加を拒否していることには、中南米諸国からも出場辞退の声が上がっているが、「近日中に米財務省から前向きな結果が出る」(コートニー広報担当)と主張。スモール代表を含めて3人の声は次第に大きくなり、表情はぶ然。最後には「あなたたちの報道でとにかく応援してほしい」と逆ギレ寸前だった。
しかしアジア予選が始まり、その中継をテレビで見て俄然興味が出てきました。
中国、台湾(なぜか旗が国旗の「青天白日滿地紅旗」ではありませんが)にコールド勝ち。
日本プロ野球の実力を示しました。
韓国には敗れたとは言え接戦で、いい試合でした。
国別対抗戦ならではの雰囲気もありますが、この時期に真剣勝負の野球を観られたことが、私は嬉しいのです。

一次予選は勝ち上がったものの、優勝候補アメリカと同組の二次予選には韓国に敗れた日本。
これで万事休すか、と思いきや、アメリカがメキシコに敗れてまさかまさかの準決勝進出。
三度(みたび)韓国との試合となった準決勝は、それまでの接戦が嘘のような大差を付けての決勝進出。
そして相手は、オリンピックでもお馴染み「最強キューバ」。
5点リードしても安全圏とは思えないプレッシャーの中、日本が見事優勝を果たしました。
いいですねぇ、こういうの。

試合後のキューバ・ベレス監督がインタビューで、「お金でなく、国のために戦うことの素晴らしさを世界が認識したと思う」と話していたことが印象的でした。
サッカーも同じですが、国の代表として試合を戦う、その意義は大きいのです。
日本チームの中で、それをいちばん感じていたのはイチロー選手でしょう。

今までの鈴木一朗選手は「クールなイチロー」のイメージ。
それが今大会では一転、“熱い”イチローになっていました。
自らを鼓舞し、チーム全体を鼓舞する数々の発言に、試合に負けた時の露わな感情。
イチローのイメージが完全に変わりました。もちろんプラスの方向にです。
こちらもエキサイトのニュースから。
◆毎日新聞 3月21日
<国別対抗野球>「野球人生最高の日」…イチローが世界一
 「野球人生最高の日」。イチロー外野手(32)=マリナーズ=が、ついに世界一に上り詰めた。精密機械のような打撃を見せるクールな天才打者としてではなく、感情がほとばしる人間・イチローとして、日本代表をけん引した。優勝の瞬間、右手を突き上げてから、ゆっくりとマウンドへ駆け寄り、全員と固く抱き合った。最後は日の丸を手に、はしゃぐ姿も見せた。
【中略】
 00年10月13日、神戸のファン一人一人と握手を交わして日本球界に別れを告げた。米大リーグでは全米と日本の期待を一身に背負う重圧と闘いながら、シーズン最多の262安打という金字塔を打ち立てた。しかし、イチローも人間。異国の地で、高みに到達した者にしか分からない孤独と向き合うことになった。
 それがWBCでは、個人記録は度外視し、優勝を目指して仲間と一緒に悔しがり、笑うことができた。イチローが少年に戻れる場。それがWBCだったのかもしれない。
まさに日本チームのリーダーでした。
いやリーダーというより、精神的な支柱と言った方が良いでしょうか。
とにかく、イチロー選手の存在は大きかったです。
選手としての成績はいま一つで、MVPを松坂選手に譲ることにはなりましたが。

その、これから大リーグに打って出ようとする松坂選手。
オリンピックでも投げていますが、そのオリンピックでは取れなかった金メダルの感触は格別でしょう。
◆スポーツニッポン 3月22日
松坂 念願の“世界一”でMVP
 「日本代表として大きな責任と誇りをもって戦ってきた。シドニー、アテネであと一歩及ばなかったけど、数多くの国際試合を戦ってきて、その経験をフルに生かすことができた。初めて大事な試合で結果を残せた」
【中略】
 準決勝の韓国戦後に先発を言い渡された。前夜は決起集会にも出席。「西武なら断っているところ。でも日の丸でみんなと行動を共にすることで一体感が生まれると思った」。
【中略】
 「本当にこの大会に参加できてよかった。もっと実力を磨いてレベルアップしたい。もっと日本の強さを見せられたら。僕は次の大会も声をかけられれば出ます」。
うん、いいですねぇ。
野球における日本代表として、数々の国際大会に出場してきた松坂選手ならではの言葉です。
松坂選手もこうして取り上げられてはいますが、マスコミの報道は王監督とイチロー選手に集中している感じ。
その王監督の言葉と、イチロー選手の言葉を報道から引用しましょう。
◆サンケイスポーツ 3月22日(エキサイトニュース)
王ジャパン世界一!!ミスターも祝福!3度舞ったサンディエゴ
 「世界のキング」王貞治監督(65)が3度宙に舞った。野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で、日本はキューバを10-6で破り、初代王者に輝いた。球場に大きな日の丸が揺れ、ナインは歓喜。すでに北京五輪での指揮官の座は、辞退を決めている王監督だけに、最初で最後の世界一のチャンスを見事モノにした。
【中略】
 「勝てば世界一になると分かっていたが、実際に勝ってみると最高の気分だね。これで日本が世界レベルの野球の仲間入りできる。日本の選手が、世界に認められたことが、一番うれしいですよ」
【中略】
 「アジアの野球はやるなと思ってもらえただろうし、他の国も日本を見て、よしオレたちも…と思ったんじゃないか。世界の野球の発展のためにはいい大会だったよ」
 誤審に泣いても不満を飲み込んだ。3度目の韓国戦で見せたリベンジ魂。08年の北京五輪は辞退を決めている指揮官は、日本野球の将来のために全精力を傾けた。
 「重圧はあった。だから、どの優勝よりもうれしいよ」
 日の丸を掲げて、場内を一周した後、スタンドからは「王さんコール」が起きた。王監督ははにかみながら笑みで応え、また両手を広げた。あの世界新となった756号本塁打のときと同じ。翼のように広がる王監督の両腕が、世界一の証だった。
◆サンケイスポーツ 3月22日(エキサイトニュース)
イチロー「最高の日」!天才は闘い抜いた、日本の誇り誰よりも
 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で、日本はキューバを10-6で破り、初代王者に輝いた。球場に大きな日の丸が揺れ、ナインは歓喜。チームを引っ張ったイチロー外野手(32)=マリナーズ=は「野球人生最高の日」と感激。早くもディフェンディング王者として臨む3年後の第2回大会に、出場する意欲をみせた。
【中略】
 「素晴らしいチームでした。ものすごいプレッシャーもあった。でも野球人生で最高の日です。野球人生で最大の屈辱もあったけどね」
 シャンパンファイトでの声がうわずる。15日の2次リーグ、韓国相手に連敗した際には「ボクの野球人生で最も屈辱的な日」と唇をかんだ。あれからわずか5日。こんなハッピーエンドが待ち受けているとは一体誰が想像しただろう。
【中略】
 「何があってもやってやる、そんな気持ち。けがしようとも、そんなことは関係ない。ボクの体から何かが出ていたんでしょう」。日本から海を渡った天才はメジャーという最高峰でプレーしながら、野球の世界一を決める大会が必要だと痛感していた。それだけにWBCには運営方法などで問題があるのは知りながらも、出場を即決。2月20日の福岡合宿集合日から王ジャパンの実質的なキャプテンとしてチームの士気を高めてきた。
 「ずっとチームの先頭に立ってくれた。オレがメジャーリーガーなんだというプライドを持った野球への取り組みがすばらしかった」。決戦前日の決起集会でイチローを自らの横に座らせた王監督。イチローという存在なしにこの栄誉がなかったことは、誰よりも世界の王が知っている。
 金メダルを誇らしげに掲げ、約1カ月に及ぶイチローの熱き戦いは歓喜で幕を閉じた。「素晴らしい仲間と野球ができて本当にうれしい。みんなで喜べることはいいなと思った。それを思いださせてくれて感謝している。(09年開催予定の第2回大会出場は)そういう選手でいなければと思う。声がかかる選手でありたいなと思う」。
国の代表が野球での「世界一」の称号を競うこの大会で「日本の代表」として、「日本の野球人の代表」として力を尽くし、「世界一」の称号を勝ち取った選手たち。
その達成感は、何とも言えないものがあるでしょう。
王監督にはそれに加えて、自身の生い立ちからも「アジアの代表」としての自負がありました。
野球の本場、アメリカでアジアの野球が「世界一」となる。
素晴らしいことです。
そして、やっぱり「国別対抗」というのは、野球ファンとして心踊るものがありました。
オリンピックに夢中になる、サッカーのワールドカップで盛り上がるのと、同じですね。
素直に、嬉しいです。

しかし、世間の反応はそれだけでは無いようです。
次のエントリーに続きます。
by Hi-Zettaisha | 2006-03-22 22:26 | 教育・社会・科学