世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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高校用教科書の検定終了(報道資料1)

昨日夜の帰宅後、風呂上がりにテレビを見ていたら、こんなニュースを流していました。
◆NHKニュース
高校教科書 発展的内容を掲載
来年の春から主に高校1年生が使う教科書の検定が終わり、学力の低下を補うため学習指導要領を超えた「発展的な内容」が高校の教科書にも初めて登場しました。教科書検定の結果は29日に開かれた文部科学省の教科書検定調査審議会の総会で了承されました。
【以下、長文です】



詳細
今回の検定は、来年の春から使われる主に高校1年用の教科書306点が申請され、検定意見による修正を経てすべてが合格しました。今回は、現在の高校教科書が内容が易しくなりすぎたことで学力の低下を招いているとして、学習指導要領を超えた「発展的な内容」が初めて登場しました。このうち「生物I」では、7社があわせて12冊の教科書にすべての教科の中で最も多い269項目もの発展的な内容を掲載しました。この中では、化学反応を学ぶうえで重要な内容でありながら、学習指導要領を超えるためこれまで記述されていなかった「イオン」のほか、条件反射を学ぶ「パブロフの犬」や「進化」などが発展的な内容として本文とは別に盛り込まれました。一方、「公民」の「現代社会」と「政治経済」では、竹島と尖閣諸島について記述した教科書が16社中13社と、前回4年前のほぼ2倍に増えました。このうちの12社が、「日本は韓国との間に竹島問題を抱えている」などと日本の領有権を明記しなかったため検定意見がつき、「わが国固有の領土である竹島に対して韓国が領有権を主張している」などと日本の領土であることがわかるよう修正されました。今回の検定結果は、東京の教科書研究センターで来月から公開され、全国7つの会場でも6月から7月にかけて公開されます。
これから政治に興味を持つべき日本の高校生が学ぶための社会科教科書であるにもかかわらず、重要な外交問題のはずの韓国に奪われた竹島、中国が奪おうとする尖閣諸島について触れた教科書が、今まで半分以下だったことに呆れてしまいました。
これを教科書製作者の怠慢と呼ばずして、何と言うのでしょう。
あ、利敵行為とも言えるか(笑)

報道各社の伝える、今回の教科書検定の内容を読んでみます。
高校用の教科書に扶桑社は参入していませんから、中学用のようなヒステリックな特定教科書叩きはないでしょうが。

◆共同通信 3月29日16時51分(エキサイトニュース)
竹島、尖閣26カ所に意見=文科省の高校教科書検定
 文部科学省は29日、2007年度から使用される高校教科書の検定結果を公表した。地理歴史、公民では竹島と尖閣諸島の記述で、日本の領土であることが明確に分かるように政府見解に沿った記述を求めるなど、26カ所に検定意見が付いた。
 学習指導要領の範囲を超える「発展的内容」が全体に占める割合は理科4・3%、数学1・8%にとどまったものの、前回検定で「範囲外」として削除された理科総合Aの「加速度」などが全教科書に復活。ゆとり教育の転換で、内容を基礎基本に絞る「厳選」路線は緩和される傾向が定着した。
 学力低下批判を反映し、教科書のページ数は前回と比べ国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科すべてで増加。特に数学12・4%、理科8・3%と理数系の増え方が目立った。
◆中日新聞 3月30日
高校教科書の二極化進む 文科省、検定結果発表
 文部科学省は二十九日、二〇〇七年度から使われる高校用教科書(主に一年生用)の検定結果を公表した。学習指導要領の範囲を超える「発展的な学習内容」(発展)が盛り込めるようになり、四年前の前回検定で削られた内容が復活したり、難度が増したりした教科書が増えた。一方で、学力の低い生徒向けの平易な教科書も増加。進学校向けとの間で教科書が二極化する傾向が強まった。
 検定に合格したのは、十四教科三百六点。職業高校用の専門教科書を除いた普通教科(十教科二百八十八点)で、一万二千二十一件(前回一万千百四十三件)の検定意見が付いたが、修正の結果、不合格はなかった。
 地理歴史や公民では、意見数は横ばいか減少したが、北方領土や竹島、尖閣諸島をめぐる領土問題で日本固有の領土の明示を軒並み求めるなど、特定の記述については以前より厳しい意見が付いた。
 今回で小学校から高校のすべての学年で「発展」が認められた。特に理科では全教科書に「発展」が登場。生物1の多くの教科書で、前回削られた「イオン」「DNAの詳しい説明」などが復活した。
 英語では、単語数を約二割増やすなど、難しくなった教科書が多かった。数学1では「複雑な因数分解」などが再登場したが、十七点中五点は「発展」をまったく入れず、教科書ごとに対応が割れた。
 学力が高くない生徒向けの教科書の場合、数学1で平易な足し算や引き算から始めるものや、英語で単語の発音に仮名を振るものが増加。学力差の拡大傾向を反映し、教科書の二極化が進んだ。
 「発展」盛り込みやイラスト、漫画によるビジュアル化の影響で、理科と数学の全科目で平均ページ数が増加。最も増えた理科総合Aは17%(B5換算)の増ページとなった。
     ◇
 検定の結果は四月二十日から七月末まで、東京都江東区の財団法人教科書研究センターで公開されるほか、六月以降、全国七カ所で各十日間程度展示される。世界史や日本史など一部科目は、六月上旬から文科省のホームページなどで閲覧できる。
 【教科書検定】 民間の出版社が編集した原稿段階の教科書(申請本)を、文部科学省が学校で使う教科書として適切かどうか審査する制度。学校教育法に規定がある。学習指導要領に則しているか、範囲や表現は適切か、などを教科用図書検定調査審議会に諮って審査する。出版社は文科省の検定意見に沿って内容を修正、合格した教科書は市町村教育委員会などの採択を経て、翌年春から使われる。検定対象の学校種や学年は毎年異なり、各教科書の検定はおおむね4年ごとに行われる。
単純な足し算引き算やABC…。
いったい、小・中学校で何を学んでくるのでしょうか?
教科書まで“格差社会”ですか?

“ゆとり教育”で「みんな(低い水準で)平等」を目指した結果が、逆に極端な学力差を生んだ訳ですね。
「責任者、出て来い!」。

教科書の内容を詳しく報じているのは、産経新聞と毎日新聞です。
特に産経新聞は教科書問題に熱心ですし、扶桑社も同じグループですから特に社会科には厳しいですね。
ネットに載っていない記事でも重要なものがありますが、まずはネット上の記事を保管しておきます。

◆産経新聞 3月29日20時21分
「日本の竹島、韓国占拠」 高校教科書検定
《領土、正確な記述求める》
 文部科学省は29日、来春から使用される高校教科書の検定結果を発表した。領土問題や北朝鮮による拉致事件、「ジェンダー」用語などでより正確な記述を求める検定意見が付けられ、出版社側が修正した。一方で、南京事件の犠牲者数について20万人以上説が最有力とするなど近現代史を中心に不適切な記述が数多く残った
 竹島(島根県隠岐の島町)の記述は前回検定(平成13年度)より増え、政治経済で全6種類、現代社会で12種類中8種類で取り上げるなど30種類が記述。日本固有の領土であることを明確に記述するよう求める検定意見が相次いだ。
 尖閣諸島(沖縄県石垣市)については「北方領土、竹島と違い日本が実効支配しており『領土問題』ではない」との立場から意見を付け、「日本の領土である北方領土と竹島は、それぞれロシアと韓国に占拠され、領土問題となっている。尖閣諸島も日本の領土だが中国などが領有を主張している」などと、北方領土、竹島と尖閣諸島を区別する記述に改められた。
 北朝鮮による拉致事件では、解決していないことを強調するよう求める検定意見が目立った。「北朝鮮から帰国した拉致被害者たち」との写真説明に「解決済みであるかのように誤解する恐れのある表現だ」との意見が付き、「しかし、まだ拉致被害者全員の帰国は実現していません」と追加された。
 「ジェンダー」(社会的・文化的な性差)については現代社会や家庭科など38種類が記述。「男らしさ・女らしさ」の否定ととられる記述などに検定意見が付いた。「ジェンダーフリー」(性差否定)は、現代社会の2種類にあったが、検定によって消えた。
 検定をパスした不適切記述も相次いだ。南京事件の犠牲者は20万人以上説が最有力とする記述が登場するなど誇大な数字が記述されている。
 慰安婦については「日本軍により慰安婦にされた女性」が「日本軍の慰安婦にされた女性」に修正されるなど、軍による強制連行に検定意見が付いたが、主語のない強制連行記述はフリーパスとなっている。
◆同 3月30日8時0分
目立つ身近な話題と社会現象 どう変わる教科書
《工夫と苦悩くっきり》
 二十九日検定結果が公表された高校生用の教科書。学校現場で「学力低下」や「理科離れ」などが課題となるなか、各教科で新しい社会現象や身近な話題、発展的な学習内容が盛り込まれたが、物理の教科書では従来の構成を変えた教科書に異論もでるなど、教科書会社側の工夫と苦悩がうかがえる。教科書はどう変わるのか。
                  ◇
■難解・物理は電気から… 系統重視など構成バラバラ
 理数系の代表科目、物理Iでは、力学から始まり、熱力学、波動、電磁気と続く構成を崩し、ゆとり教育の影響で中学から持ち上がった電気をはじめに据える教科書が多い。電気を身近な生活とのかかわりでとらえ、物理に対する生徒の敷居を少しでも下げたいとする文部科学省の方針の結果だが、一部の社は「力学は物理全体の礎。力学から教える系統は守るべきだ」。ゆとり教育のもと、難解な科目とされる物理教科書をどう系統だてるか。教科書の構成はバラバラで各社の苦悩がうかがえる。
 合格した六社七種類の教科書のうち、「電気」から記述したのは大日本図書と啓林館の二社。学習指導要領の改定で中学校では取り扱われなくなったフレミングの法則、レンツの法則、電気抵抗の直列接続、並列接続の合成抵抗などを高校物理の電磁気で習う分野とともに力学に先駆けて解説した。
 文科省はこうした判断を「これまで、高校物理は力学から始まる構成だったが、難解で挫折する生徒も多かった。同じ理科でも化学や生物が発行部数を増やしているのに物理は減少気味。高校生の人気は低く、電気を身近な日常生活と結びつけて取り上げ、生徒の抵抗感を軽減しようと事前の説明段階から教科書会社に電気から記すよう伝えたため」(教科書課)と解説する。
 しかし、トップシェアの数研出版は、力学から熱力学、波動と続き、電磁気を最後に置く従来の構成を堅持した。「いろいろ議論はあったが物理は体系的な学問。難しいからといって、力学から始まる系統を安易に崩すと電磁気の記述すら十分できない」と同社の編集者は話し、「現場の学校からもそうした声が強かった」と説明した。
 一方、実教出版は「電気と現代社会」という序章を設けたが、分量を絞り込み、力学から始まり電磁気などに続く本論はこれまで通りの構成にした。
 東京書籍は序編に六十ページ近くを割き「電気」を扱ったが、あくまで「力学」が「一編」の扱い。第一学習社は「電磁気」を教科書の最初と終わりに二分割するなど対応は各社で分かれた。
                  ◇
■「イチローへの手紙」「エンデの遺言」も登場
 米大リーグで活躍するイチロー選手と松井秀喜選手がそれぞれ複数の英語教科書に取り上げられた。「生徒を引きつける国際人として最適」(編集者)と、単なる人物紹介でなく、米国で出版された児童書「イチローへの手紙」や松井選手のメッセージを使うなど工夫を凝らしている。
 「イチローへの手紙」は数年前に米国で出版され話題を呼んだ。
 米国の幼い少年が主人公。友達とけんかしてしまった少年は祖父と野球観戦に出掛ける。祖父はイチロー選手の活躍を喜びながら、兵士として日本軍と戦った過去を打ち明ける。
 「一生敵だと思った日本人の活躍に故郷で声援を送る日が来るとは思わなかった。心を開き、お互いに友愛の情があれば時が傷を癒やす」。少年は仲直りの決心を報告する手紙をイチロー選手に書く-というストーリー。
 この物語を掲載した教科書の編集者は「米国での活躍だけでなく、国際関係を考えさせる題材を選んだ」と話す。
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 ライブドア事件をきっかけに市場でのマネーゲームの是非について論議が盛んになる中、現代社会と政治経済の教科書に、お金本来の意味や役割を問い掛ける「エンデの遺言」が登場する。
 作家の故ミヒャエル・エンデは晩年、お金の役割について「パン屋でパンを買うときのお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は種類が全く異なる」と指摘。「利が利を生むことを至上とする通貨」に警鐘を鳴らした。
 エンデが着目したのは、利子を前提とせず、ボランティア活動のように市場では成り立ちにくい価値と交換可能な地域通貨。平成十一年に「エンデの遺言」として放映されたテレビ番組は、大きな反響を呼んだ。
 教科書会社は「これまで通貨そのものの意味を考える題材があまりなかった。高校生が生活の足元を見つめるきっかけになれば」と話している。
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■来月20日から検定資料公開
 文部科学省は、検定終了した高校教科書の検定資料を、4月20日から東京都江東区の教科書研究センターで公開する。青森県や熊本県など7カ所でも順次公開する。
 公開の対象は、申請段階の教科書と文科省の検定意見書、検定意見に従って修正した内容を載せた修正表など。合格した教科書の見本も発行者から提供され次第、展示する。また、文科省のホームページでも、6月上旬から世界史と日本史の検定意見書などを載せる。
◆同 3月30日8時4分
教科書検定 古い資料根拠に合格 著者らは後に記述修正
《「南京犠牲者20万人以上説が最有力」》
 南京事件の犠牲者数をめぐる日本国内の学説は「二十万人以上」が最有力-とする記述が高校教科書検定で合格したが、文部科学省が根拠として示した五人の“大虐殺派”学者の著書は古い資料で、ほとんどの学者が犠牲者数を下方修正していることが産経新聞の調べで二十九日分かった。四万人説の“中間派”やゼロだとする“まぼろし派”からも批判の声が上がっている。(教科書問題取材班)
                  ◇
■諸説配慮が…
 南京攻略をめぐっては、戦闘による死者は万単位あっても、民間人の大量虐殺はなかったことが判明しつつあるが、今回検定を合格した高校歴史教科書十九種類のうち四種類が中国政府の政治的宣伝である「三十万人」や「二十万人」という誇大な数字を記述している。
 実教出版の日本史Aは南京大虐殺記念館の犠牲者表示を「30万人以上」として検定をパスしたが、実際は「300000」で、「以上」の文字はない。
 三省堂の世界史Aは検定申請段階で「20万人以上とする説が有力」とし、諸説を配慮するようにとの検定意見を受けて「さまざまな説があるが、そのなかでは20万人以上とする説が有力」と書き換えて合格した。
■1人は10万説
 二十万人以上説が最有力との記述をパスさせた理由について文科省は「日本や東アジアの近現代史を専門とする学者の中で、二十万人以上説をとる人が相当多い」として、洞富雄元早大教授(平成十二年死去)▽藤原彰一橋大名誉教授(十五年死去)▽笠原十九司都留文科大教授▽吉田裕一橋大教授▽江口圭一愛知大名誉教授(十五年死去)-の五人を挙げた。
 さらに根拠資料として五人の著書を示したが、産経新聞が調べた新しい文献では、笠原、吉田、江口の三氏は、この十年ほどの間に十万-二十万人に下方修正している。
 笠原氏は一橋出版の世界史A教科書(今回の検定の対象外)を執筆しており、南京事件の犠牲者について「大量の」とし数値を避けている。
 洞、藤原両氏も、もともと戦死者を含めて二十万人以上としており、不法殺害を二十万人以上とする歴史学者はいない
■少数説併記を
 この記述が検定をパスしたことについて「犠牲者は四万人で民間人は極めて少ない」という立場の秦郁彦・元千葉大教授は「二十万人以上が最有力説というのは明らかに間違い。諸説あるという表現なら『数万』『十数万』が適切ではないか」と話す。
 「捕虜の不法殺害は三千人以下、民間人は五十人以下」と主張する歴史教科書研究家の上杉千年氏は「諸説を書けという文科省の検定方針は適切だが、かえって『二十万人以上』が強調され裏目に出た」と検定の限界を指摘する。
 一方、平成十二年に発足した日本「南京」学会の会長を務める東中野修道・亜細亜大教授は、軍服を脱いで民間人に変装した兵士の処刑は国際法上合法で「虐殺があったという記録が発見されない以上は犠牲者はゼロ」と主張してきた。
 三省堂世界史Aの記述について「城壁で囲まれた南京で、人口は陥落数時間前も十日後も二十万で変わっておらず、虐殺はあり得ない。諸説を書くなら、ゼロ説も入れるべきだ」と話している。
                  ◇
■装甲車を「戦車」
 山川出版社の世界史Aでは「日本軍の攻撃で廃墟となった南京市街をいく日本軍戦車」との写真説明が検定をパスした。
 しかし、ここに写っているのは戦車ではなく「94式軽装甲車」。また、中国軍は南京放棄直前に、日本軍に利用されないように建物を焼き払う清野作戦(焦土作戦)を行っており、日本軍の攻撃で廃虚となったとする記述は間違いだ。
キャタピラを履いた装甲車両をみんな「戦車」にしてしまうのは、マスコミを始め軍事に疎い人たちが良くやらかす間違いですが、教科書にそれを残すのは問題。
中国国民政府軍の清野作戦は有名ですし、どちらも事実誤認レベル。
私は工業製品の品質管理を行っていますが、これは間違い無く不合格ですね。

長くなりました。
次のエントリーに続きます。

【3月31日 追記】
私がエントリーに書かなかった、ネット上に無い産経新聞の記事(関西版では3面に掲載)を、くっくりさんが記事↓にされているので、リンクしておきます。
(最近、ブログを変えられたようですね)
◆『ぼやきくっくり』高校教科書検定で南京事件はどうなった?
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-30 22:38 | 教育・社会・科学