世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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高校用教科書の検定終了(報道資料2)

前のエントリーの続きです。

次は毎日新聞の記事。
こちらも産経新聞同様、一部の検定内容には批判的ですが、批判の方向は産経新聞とは逆のベクトルですね。
なかなか面白いです。



◆毎日新聞 3月29日19時4分(エキサイトニュース)
<高校教科書検定>「発展的な学習内容」初めて登場
 文部科学省は29日、主に高校1年生が来春から使う教科書の05年度検定結果を公表した。現行学習指導要領に沿った2度目の検定で、01年度検定以来4年ぶり。学習指導要領の範囲を超える「発展的な学習内容」が初めて登場した。「ゆとり教育の見直し」を反映した発展は、これで理数を中心に小中高校の全学年の教科書に盛り込まれた。
 「発展的な学習内容」は、理科では全56点に計796カ所あり、1点当たりの平均は14.21カ所で、発展のあるページ数の割合は4.3%。最高でも理科総合Aの1点の14.3%で、限度とされる全体の2割に達した教科書はなかった。全出版社が共通して記述した発展は、理科総合A「物質量」「加速度」▽物理1「平面上での速度の合成」▽化学1「塩の加水分解」。
 また、生物1では、前回の01年度検定で削除された「イオン」、「DNA」(基礎的な記述以外)などが復活した。
 各出版社とも前回の改訂版という位置づけのため、内容に大幅な変更はなかった。だが、発展の登場などから、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の各科目ごとの1冊あたり平均ページ数(申請本)は、日本史Bを除いていずれも増加。最大は理科総合Aの17%増だった。
 普通教科の検定意見数は合計1万2021件で、前回より8%増。うち6001件と全体の半数を占める理科が35%増、家庭が34%増と増加が目立った一方、地理歴史は45%減と半減した。科目の最多は生物1で2348件。
 地理歴史や公民では、領土を含めて中韓両国との摩擦が続く現状を反映し、竹島、尖閣諸島の記述が前回に比べて大幅増。いずれも領土と明記する形で修正された。
 今回の検定申請は、普通教科が10教科288点、農業など専門教科が4教科18点の計14教科306点で、いずれも合格した。【長尾真輔】
◆同 3月29日19時6分
高校教科書検定:父子・母子家庭に意見相次ぐ

 05年度の高校1年用家庭科教科書の検定で、父子・母子家庭に触れたり、ペットを家族とする記述に、意見が相次いだ。これらの記述をした複数の現行教科書に対し、一部の国会議員が「これでは“家庭崩壊科”」と非難する動きがあり、01年度の前回検定から一転して「逆風」にさらされた形だ。編集者からは「現実にさまざまな家族形態があり、選択肢を示しているだけなのに」と戸惑いの声が上がっている。
 教育図書「家庭基礎」の申請本には「自分の家族観」の項目で、ロックバンドGLAYのリーダー、TAKUROさんのコラムが掲載された。父親が亡くなり母、姉と生きてきた中、「父親がいないことを、不満に思ったりした形跡はまったくない」とのくだりがある。このコラムに対し「さまざまな家族形態を考えるページの中で、親が1人の家庭の記述が目立つ」との理由で検定意見が付いた。修正でこのコラムはなくなり、「CMの家族像」と題した父子・母子家庭には触れない内容に差し替えられた。
 ペットを家族とみなす記述にも意見が付いた。開隆堂の「家庭基礎」「家庭総合」の申請本に掲載した「次にあげる関係を家族と考える?」の例示のうち、修正後は「愛情を込めて育てているペットと自分」との記述が削除された。この記述は前回検定で意見が付かなかったが、文部科学省は「家族は通常人間と考えるべきだ」と説明している。
 家庭科では、前々回の96年度検定で、家族からの自立に焦点を絞ったり同性愛カップルに触れたりした申請本4点が不合格になったが、前回の01年度検定からは一転してこれらの記述が認められ、不合格はなかった。
 一方、昨年、参院議員が国会で「浮気をする権利を教えている」「祖母は家族ではないのに、ペットは家族と考える人もいるとの記述がある」と特定の教科書を非難するなど、家庭科を取り巻く状況は変化している。
 96年度検定で不合格となった東京都内の出版社の編集者は「前々回に比べ前回は全般に基準が緩かった。しかし今回はまた厳しくなり、改訂していない記述にも意見が付いた。これも社会情勢の変化なのか」と話す。別の出版社の編集者は「今回、調査官は離婚や一人親の記述に敏感だったと感じた」と話している。【長尾真輔、種市房子】
 ◇多様な家族が実在
 若桑みどり・千葉大名誉教授(ジェンダー文化論)の話 文科省は「家族とは両親がいて子どもがいるのが“正常”」との観念に立っているのではないか。実在する多様な家族形態の中に生きる父子・母子家庭の子どもの存在を消し去ることには納得がいかない。
 ◇選択肢提示が役割
 山田昌弘・東京学芸大教授(家族社会学)の話 「家族はこうあらねばならない」と示しても教育効果はない。ペットを家族だと思う人が多いことは数々の調査で判明しているし、小泉純一郎首相も離婚している。現実を示して、実社会で幸せになるための選択肢を示すことが教科書の役割ではないか。
 ◇安楽死・尊厳死 検定意見が付く
 高校教科書では、公民を中心に安楽死・尊厳死問題が掲載されている。いずれも重要な認定要件である「患者の意思表示」が欠けた記述に対しては、「不正確な説明」との検定意見が付いた。
 「安楽死・尊厳死」は現代社会、政治経済、倫理を中心に登場。このうち実教出版の現代社会の申請本では「投薬などによって、患者の死期そのものを早めてしまう安楽死」とした。この記述は改訂していなかったが、今回は検定意見が付き、「患者本人の意思に基づき、投薬などによって死期そのものを早める安楽死」に修正された。同様に、山川出版社、教育出版、第一学習社が修正で「患者の意思表示」を記述に入れた。【種市房子】
◆同 3月29日19時28分
高校教科書検定:麻生外相の発言を削除

 05年度の教科書検定で、麻生太郎外相が03年の自民党政調会長時代に「創氏改名は朝鮮人が望んだ」という趣旨の発言をしたという記述が修正で削除された。
 記述があったのは、実教出版「日本史A」の「現代の日本と韓国」と題した欄。1953年の日韓会談で当時の久保田貫一郎日本政府主席代表が支配を正当化する発言を行い問題化したことなどを挙げ、さらに麻生氏の発言に触れたうえで、「歴史的事実に反する趣旨の発言をして問題になった」と記述した。
 これに対し「発言は事実だが、一政治家で閣僚とは違う」(文科省)として検定意見がついた。この結果、「その後も一部政治家が、日本の朝鮮に対する支配を正当化する発言をおこない、批判を受けて謝罪した」と修正された。【長尾真輔】
◆同 3月30日3時0分
高校教科書検定:「日本の領土」明確化 首相参拝も修正

 「北方領土、竹島、尖閣諸島は日本の領土」。29日に公表された高校教科書の検定で、領土の記述を明確にするよう修正が相次いだ。前回の01年度検定では意見がつかなかった個所でも「より正確に、誤解の余地のない記述にすべきだ」(文部科学省)として意見がついた。北方領土と竹島は、日本の領土ながら、ロシア、韓国が占拠し、それぞれ領有権を主張する「領土問題」になっているとした。一方、尖閣諸島は「日本が実効支配する領土。中国が領有権を主張しているが、領土問題ではない」(文科省)との見解から、検定意見に伴う修正で「係争地区」からも外れた。
■46%に意見 申請本では、北方領土、竹島、尖閣諸島を「領土問題」と記述する例が目立った。しかし、文科省は尖閣諸島について「日本が実効支配する領土。中国が領有権を主張しているが、領土問題ではない」との見解を示し、検定意見で北方領土、竹島と区別するように指摘。尖閣諸島に関しては領土問題と位置づけた記述が修正されたり、係争地区を示した地図から外れたりした。 地理歴史、公民(地図を含む)の両教科で領土をめぐる記述のうち46%に当たる、北方領土16カ所▽竹島20カ所▽尖閣諸島24カ所の計60カ所に「我が国の領土であることが理解しがたい表現」などの検定意見がついた。
■自治体の働きかけ
 竹島が記述された20点のうち8点、尖閣諸島の記述のある21点中9点は今回新たに盛り込まれた。
 「領土問題の項目では、具体的に竹島の記述をしてほしい」。昨年、「竹島の日」(2月22日)を定める条例を制定した島根県は、社会の教科書を発行している出版社に対し、04年度から記述を求める働きかけを続けている。同県教委は「全国の小中高校生に『竹島は日本固有の領土』と理解してもらうため。(記述の有無は)県内での採択には関係ない」と説明している。04年度から05年度にかけて知事名の文書を送付したり、県総務部や県教委の職員が上京の折に出版社を訪れて要請した。
 しかし働きかけを受けたある出版社は「4年間の社会情勢で竹島、尖閣諸島が注目されたこともあり記述したが、採択にも影響するのは分かっていた。『竹島のくだりを入れたら採択する』と受け止めた」と話す。
■南京事件の記述
 旧日本軍が多数の捕虜や市民を殺害した南京事件。「教科書記述をより公正でバランスのとれたものにする」として前回検定後の02年度に設けられた検定のバランス基準が適用され、犠牲者数については20万人程度のほか、30万人以上という中国の主張に加え、「日本国内では十数万人などの説もある」との記述が追加される修正も行われた。
 中韓両国から激しい反発を呼んだ小泉純一郎首相の靖国参拝。清水書院の現代社会では、年表の04年4月に「小泉首相の靖国神社参拝に福岡地裁が違憲判断」と記述した。しかし「下級審に過ぎず、請求も棄却された」(文科省)ことから「誤解の恐れのある表現」と意見がつき、「小泉首相の靖国神社参拝について福岡地裁判決」と判決内容が全く分からない表現に修正された。【長尾真輔、種市房子】
毎日新聞の記事には、「検定が正しくない」というニュアンスが感じられます。
しかし「父がいて母がいて、子供がいる」というのが家族の基本形というのは、果たして誤りですか?
父が欠けたら母子家庭、母が欠けたら父子家庭、父母が欠けたら孤児、祖父母が共に住まないと核家族。
違いますか?
どうやったらこの検定が「父子・母子家庭の子どもの存在を消し去る」ことになるんでしょうか。
朝鮮人の創始改名にしても、「歴史的事実に反する」と書くのがそもそも歴史的事実に反しています。
「福岡地裁の違憲判断」は有名な“蛇足”ですし、最高裁の判例でもありません。

◆読売新聞 3月30日0時17分
教科書検定、高校も「発展的記述」…小中高出そろう
 文部科学省は29日、来春から使用される高校低学年向け教科書の検定結果を公表した。
 学習指導要領の範囲を超える「発展的記述」が理科や数学を中心に盛り込まれ、4年前の前回検定時に削除されたイオンやDNAといった記述が復活、主要な教科書は平均で約6%厚くなった。これで小・中・高校の全学年の教科書に「発展」が出そろった。
 一方、地理歴史や公民では、竹島や尖閣諸島の記述に、領土の帰属を巡って記述の修正を求める検定意見が相次いだ。
 今回の検定には14教科306点の申請があったが、いずれも検定意見の付いた記述を修正し、合格した。
 前回検定では学校週5日制の完全実施に対応し、学習内容を減らした新学習指導要領が導入され、教科書の記述内容も大幅削減された。しかし、学力低下批判が起こり、文科省は教科書に「発展」として多くの内容を盛り込むことを容認した。
 「発展」が最も多かったのは理科で、「理科総合A」や「物理(1)」「化学(1)」などすべてに登場。家庭(84・2%)、数学(50%)が続いた。今回は、イオンやDNAのほか、三角形の3辺の長さから面積を求める「ヘロンの公式」なども復活した。
 教科書のページ数が最も増えたのは「理科総合A」で、前回検定の平均138ページから162ページになった。
◆朝日新聞 3月29日20時25分
高1用に「発展的な学習の内容」初登場 教科書検定
 文部科学省は29日、05年度の教科書検定の結果を発表した。対象は主に高校1年生が来年4月から使う教科書で、普通教科10教科で申請された288点と、農業など専門教科の18点すべてが合格した。高校低学年用としては、初めて学習指導要領の範囲を超える「発展的な学習の内容」が盛り込まれた。社会科では、イラクへの自衛隊派遣や小泉首相の靖国神社参拝をめぐる判決などに、政府見解に沿う記述を求める意見が目立った。新しい試みとして、ノートを取らない生徒向けに「書き込み式」の教科書が登場した。
 「発展」は02年度検定の高校中学年用から認められ、これで小・中・高すべての教科書に盛り込まれることになる。高校の場合、その分量は2割程度まで許されるが、最も多い理科でも全体のページ数のうち4.3%、数学で1.8%だった。
 学習内容を「3割削減」した現行学習指導要領の実施に伴って削られた項目の多くが今回の「発展」で復活した。ただ、中学校では学ばないことになった生物の「進化」や数学の「統計」は、それぞれ生物Iと、数学Iの中では「発展」としても取り上げられなかった。科目の選択次第では、進化と統計を学ばない生徒も出る。
 地理・歴史と公民の社会科では、4年前の検定以降にあった社会問題として、イラク戦争や自衛隊派遣、小泉首相の靖国神社参拝をめぐる判決などが新たに盛り込まれた。だが、大半に検定意見がついて申請通りの記述が認められなかった。
 自衛隊派遣については、「人道復興支援活動のため」という政府の立場に沿った記述以外は認められなかった。また、「小泉首相の靖国神社参拝に福岡地裁が違憲判断」と記述した教科書には、この記述だと「国が勝訴した判決だったことが理解できない」との理由で検定意見がついた。首相としての参拝だったため、「公式参拝」と表記した教科書も政府見解に照らして認められなかった。
 一方、領土をめぐる問題が中国・韓国との間で外交上の焦点となっている情勢を受け、尖閣諸島や竹島の問題を記述する教科書が前回よりも増えた。
 「書き込み式」の教科書は国語に登場した。教科書会社は、ノートを持たない生徒にも配慮したと説明している。
     ◇
 〈キーワード:発展的な学習の内容〉 「ゆとり教育」の一環として学習内容を3割削減したことに不安が高まり、02年8月の検定基準改定で認められるようになった。本文と区別した形で掲載し、学習指導要領に示されていない内容だと明記することが求められる。
“「人道復興支援活動のため」という政府の立場に沿った記述以外”ってどんな記述なんでしょう?
“アメリカ帝国主義に追随する小泉ポチ保守政権は、皇帝ブッシュのイラク侵略戦争に協力するため日本軍(国内名称「自衛隊」)を派兵した” とでも書いてあるのでしょうか(笑)
それにしても「書き込み式」、ですか…。
ノートを取る習慣の無い生徒が、教科書に書き込みをするものですかねぇ。

こんなニュースが入ってきました。
◆読売新聞 3月30日14時44分
「教科書の誤り許しません」、文科省が60社調査へ
 今年1月、2004年度から高校で使用されている「政治・経済」の教科書のグラフに記載ミスが見つかった問題を受け、文部科学省が全教科書会社60社の編集・校正体制の調査に乗り出したことがわかった。
 この問題を巡っては、同じグラフが今春の大学入試センター試験に出題され、教科書通りに解答すると不正解になるという前代未聞の事態に発展したため、同省は「教科書への信頼を揺るがしかねない」とチェック体制の点検を決めた。文科省は調査の結果、体制が不十分だと判断された教科書会社には改善を指導する方針。
 文科省が教科書会社に回答を求めているのは、〈1〉教科書ごとに編集・校正に当たる人数〈2〉校正・校閲の専任担当の有無〈3〉外部の専門家による校閲の実施の有無――など。併せて現状の問題点の報告を求め、体制の改善策などを提示することも要請している。回答期限は今月31日。
 また、4月から使われる中学校用教科書や、来春から使用される高校用教科書の記述についても再点検し、誤りが見つかった場合には速やかに文科省に訂正を申請するよう求めている。
 文科省が29日に公表した高校用教科書の検定結果でも、1976年のモントリオール五輪の女子体操で10点満点を連発し、「白い妖精」と呼ばれたナディア・コマネチさんの競技種目を「新体操」と誤記したり、「ハンムラビ法典を刻んだ石碑」の写真を、裏焼きしたりといったミスを指摘されたケースが少なくなかった。
 各教科書会社によると、一部の大手教科書会社には校閲室を設け、専従社員を配置しているところもあるが、多くはチェック専門の部署がなく、執筆者や編集者らがそれぞれ記述内容を点検しているのが実情。「世代交代で若い編集者が増えているうえ、デジタル化への対応も迫られており、なかなか思うようにいかない」(教科書会社幹部)という声も聞かれる。このため、退職したOBを活用し、ベテランの視点で内容を再点検してもらうところも出てきている。
何ですかこれは。
まったく、品質管理がなっていないぞ!

自分の意見を書くスペースが無くなりました(汗)
次のエントリーに続きます。

【3月31日 追記】
朝日新聞も詳細な記事を出していたようですね。
水尾ツモロヲさんのブログ↓で取り上げられていたので、リンクします。
◆『プロテクトX -傍観者たち-』の3月30日のエントリー
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-30 22:40 | 教育・社会・科学