世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

何のための義務教育?

ヨミウリ・オンラインを読んでいたら、こんなニュース↓がありました。
◆読売新聞 4月16日3時1分
塾に通えぬ小中学生に“公立塾”
 経済的理由などで塾に通えない子どもを支援するため、文部科学省は来年度から、退職した教員OBによる学習指導を全国でスタートさせる方針を固めた。
 通塾する子どもとの学力格差を解消するのが狙いで、放課後や土・日曜に国語や算数・数学などの補習授業を行う。
 来年以降、団塊世代の教員が相次ぎ定年を迎えることから、文科省では「経験豊富なベテラン教師たちに今一度、力を発揮してもらいたい」と話している。
 教員OBによる学習指導は、希望する小・中学生を対象に、放課後や土・日のほか、夏休みなどの長期休暇を利用し、小・中学校の教室や公民館、児童館などで行う。受講は無料とし、テキスト代などは参加者に負担してもらう方向で検討する。
 教員OBの確保は、講師希望者を事前登録する「人材バンク」のような制度の整備を目指しており、計画が固まり次第、各都道府県教委などに協力を呼びかける。講師への謝礼などについては、今後さらに協議する予定だ。
 文科省は、長崎市で2003年7月に起きた少年による男児誘拐殺人事件などを受け、地域住民と子どもたちが一緒に遊びやスポーツを楽しむ「地域子ども教室」を推進している。教員OBによる学習指導は、この事業を拡大する予定で、各都道府県を通じ、市区町村に運営費用を支援する。
何ですか? これは。



英語早期教育に触れた以前のエントリーで、私はこう書きました。
日本国が、国の責任で行う「義務教育」とは何でしょうか?
日本国民として、最低限備えておくべき基礎知識と教養を身に付けさせること。
そう、私は理解しています。
義務教育を受けていれば、その最低限備えておくべき基礎的な知識と教養が身に付いているはずです。
塾で学ぶということは、その基礎的な知識と教養にプラスアルファの知識と教養を加えること。
子供に意欲があるからか、親が望んだからかは別として、その家庭が進んで時間と費用を負担して塾に行かせているのです。
本来なら、学力格差が付いたからといって問題視することはないでしょう。
公的な支援など、必要ないはずです。
お節介過ぎます。
定年退職者の雇用対策ですか?

それとも「学校では勉強できないから、塾に行く」と話す子供が居るという、義務教育が不充分な現状を認めたからなのでしょうか。
それならば、今は内容がスカスカの義務教育そのものを充実させるのが本筋ではないのですか?
何のための義務教育ですか? 文部科学省の皆様!

以前、こんなニュース↓が流れました。
◆読売新聞 2月9日
「国数理」小中で授業増
 文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の教育課程部会は8日、小・中学校で「国語」と「算数・数学」、「理科」の授業時間増を求める審議経過報告書案をまとめた。近く、最終決定する。
 ◆学力低下食い止め
 一昨年12月に公表された国際学力調査結果で、日本の子どもたちの学力低下が判明したことを受けた措置。文部科学省は今後、学習指導要領の見直しに反映させる方針で、「ゆとり教育」の転換は「国語」と「理数」重視で進みそうだ。
 報告書案は、国語を「すべての教科の基本」、理数教育を「科学技術の土台」と位置付け、いずれも「充実を図ることが必要」と指摘。そのため「授業時間数についても具体的に検討する必要がある」と、時間増を求めた。
 さらに、国語では、子どもが古典や名作に触れ、日本の言語文化に親しんだり、自分の考えを用紙1枚程度に表現する力を身につけさせたりすることが不可欠と指摘。理数教育では、小数や分数の意味、エネルギーの概念などを実生活と関連付けて理解させることが重要と訴えた。
 同部会では今後、「ゆとり教育」を象徴する「総合的な学習の時間」の削減や小学校への英語教育導入の是非なども議論する予定で、国語と理数の時間増については、他教科との兼ね合いを踏まえて調整する方針だ。
これはどうなったんでしょう?
文部科学省のホームページにある「中央教育審議会初等中等教育分科会(第37回)議事録・配付資料」というページに「教育課程部会「審議経過報告」(平成18年2月13日)」というPDF文書が置かれていますから、報告は出たようです。
但し、これはあくまでも「経過報告」で、実際に政策として反映されたものは「小・中・高校教育に関すること」のページを見ても、何もありません。
「最終報告」が出て、政策として反映されるのはまだまだ先のようです。

それまでの経過処置としての「まともな義務教育にするための補習」であれば、“公立塾”の意味もあるでしょう。
但し、それならば「希望者だけ」は駄目です。
国の政策の失敗を認めたのなら、全員に補習を受けさせるべきです。
法律的、財政的な裏付けに困るかもしれませんが。

で、このPDF文書。
51ページに「学校週5日制は、国の仕組みとしてこれを維持すべきとの意見が大勢であった」とあります。
52ページにはこう↓。
○ 学校週5日制の現状については、必ずしもこうしたねらいが達成されていないとの状況も見られるが、学校週5日制の下で、家庭や地域において、大人が子どもに正面からかかわる仕組みをどのように構築していくか、具体的に検討することが必要である。
目的を達成するために、制度を作るのではありませんか?
先ず制度ありきで、あとは努力せよでは本末転倒です。
土曜半ドン、なぜ悪い?
時間が足らなきゃ、土曜日を使え!

会社の週休二日制と、同一視することがそもそもおかしいと思います。

それにこの文書、「子ども」表記ですね。
ああ、気持ち悪い。
子供は「子供」と書くもんだ!

このニュースを読んで、以前エントリーで取り上げようかと思っていた、このニュース↓を思い出しました。
◆読売新聞 3月7日14時52分
“ゆとり1期生”に愛媛大補習、院生講師が数学など
 愛媛大(松山市)は4月から、新学習指導要領で学んだ「ゆとり教育世代」の1期生にあたる新入生のうち希望者を対象に、大学院生が英語や数学、理科などを教える「補習」を行う。
 学力低下が懸念される新入生が講義に付いていけず、嫌気がさして退学するのを防ぐ狙い。教授陣からは「甘やかしすぎでは」と首をかしげる意見も出たが、大学側は「最近の学生の学力低下は深刻。留年者も減らしたい」と、異例の対策に乗り出すことにした。
 同大学によると、今年の新入生は約2000人。大学院生5人を“専任講師”として採用し、付属図書館内に新設する「補習室」で、月曜から金曜まで毎日、希望者を対象にマンツーマンで指導する。問題の解き方のほか、リポートの書き方、勉強のスケジュールづくりまで伝授する。
 ゆとり教育世代は、2003年4月に導入された「総合的な学習の時間」を柱にした新指導要領をもとに学習。高校の数学では、積分の計算など、約5%の項目がカットされた。
 同大学では2004年度、約8300人の学生のうち114人が退学。理由を聞いたところ、「一般教養科目の数学などで内容がわからず、やる気をなくした」などと言う学生が多かった。危機感を覚えた教育・学生支援機構の佐藤浩章助教授(高等教育論)が「初期のつまずきをなくすことが大切」と補習を提案した。
 学内論議で「甘やかしすぎ」の意見の一方、「退学者を減らすのが重要」という声が強く、導入を決定。講師は年齢が近く、学生生活の相談にも乗ってくれる大学院生に任せることにした。
大学で学ぶ前提となる学力が無くても、大学に入学できるこの不思議。
「みんなが貧乏になれば平等」という共産主義の考え方を、教育に適用して「みんなが馬鹿になれば平等」を推し進めたのが“ゆとり教育”。
その結果が、この惨状。

こんなニュース↓もありましたが
◆産経新聞 3月28日19時12分
「日本の教育に学べ」タイ紙が特集
 【バンコク=岩田智雄】28日付のタイの英字紙バンコク・ポストは、「世界の産業勢力の一つとなった日本から教育改革を学べ」とする特集記事を掲載した。タイでは、都市部と地方の教育格差が大きいが、日本が貧困層や僻地(へきち)に対しても都市部同様に教育を充実させたことが、タイにとって大いに学ぶべき点になるとしている。
 記事でタマサート大学のワリントン準教授は「日本は同時に二つのことをやり遂げた」と指摘。学校は生徒に時間の厳守や自己修養といった社会に大切な価値を教えると同時に、世界の競争相手に負けないよう教育の質を向上させてきたと述べた。
 また、日本政府が教育水準と生徒の生活の質の両方を向上させる政策をはっきりと示したため、地方での教育の普及や給食、教科書の無償配布、貧困家庭への経済支援の法整備につながったと分析。こうした点がタイにとっても参考になるとしている。
タイの人には「学ぶのなら、過去の(詰め込み教育と批判された頃の)日本の教育」を見習って欲しい」と声を大にして言いたいです。
“教育改革”の結果、今の日本人は義務教育を信用できなくなったのですから。
[PR]
by Hi-Zettaisha | 2006-04-17 23:56 | 教育・社会・科学