世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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中国の東シナ海航行禁止海域設定(報道資料)

日本がここ30年調べていなかった、竹島周辺を含む排他的経済水域(EEZ)の海底地形。
それを調べようとする海上保安庁の計画が、韓国の異様な(ある意味では正常な)反発を受け、それに世間の耳目が集まっています。
日本政府は、韓国側に海底地形の地名提案をさせないことを確約させるつもりで、韓国も反発はしてみせても結局はそうするでしょう。
でも、それは只の先延ばしで、何の解決にもなりませんが…。

この騒ぎのせいで既に忘れ去られた感があるのが、中国の東シナ海「航行禁止海域」設定問題。
竹島の話は毎度のことで、日本政府の対応もそれなりですが、こちら(東シナ海)の話はもっと重大な問題をはらんでいると私は考えます。
その考える材料として、今までの流れを報道で振り返ってみます。



初めに、こんなニュース↓がありました。
◆読売新聞 4月14日3時3分
東シナ海の日本側、中国が「環境目的」掘削計画
 中国が環境調査を目的に、東シナ海で海底掘削を計画していることが13日、明らかになった。
 日米欧と中国が参加する国際研究プロジェクト「統合国際深海掘削計画」(IODP)の事業として申請している。
 東シナ海では、ガス田開発をめぐって日中が対立しており、中国側の今回の計画も資源確保につながるとする見方もあることから、日本政府は中国側との共同調査などの対応を検討する方針だ。
 IODPは2003年10月に始まった国際プロジェクトで、日本が建造した地球深部探査船「ちきゅう」と米国の掘削船を主に使い、地震発生のメカニズムや地球環境、生命誕生の謎などの解明を目指す。04年に欧州各国と中国が参加した。運営費は、参加国が分担して拠出している。
 中国側の掘削申請は昨年9月、上海市の大学の教授名で提出された。
 申請によると、中国側は東シナ海の5か所で海底掘削調査を行い、海底の堆積(たいせき)物や地層の形状についてのデータを収集して、数百万年前から現在までの東アジア地域の気候変動を研究するとしている。調査地点はいずれも公海上で、4か所は日中中間線より中国側、1か所は中間線より200キロ程度、日本側に位置している。
 日中両国の有識者らが作る「新日中友好21世紀委員会」は3月に京都市で開いた会合で、東シナ海の環境調査を共同で実施するよう両政府に求めることを決めた。しかし、決定を受けて委員会メンバーの松井孝典東大教授がIODPなどに問い合わせたところ、中国側がすでに単独で掘削計画を申請していることがわかった。申請が認められれば、中国の研究者だけで「ちきゅう」などを使い、調査を進めることになる。
 政府内では、中国の今回の計画について、「海底資源の把握が本当の目的ではないか」との見方もある。
 松井教授は13日、首相官邸に安倍官房長官を訪ね、中国側に共同調査を働きかけるとともに、掘削の前提となる事前調査に日本も着手するよう求めた。安倍長官は「事実関係を調べ、対応を検討する」と答えた。これに関連し、政府筋は13日、「小泉首相は『東シナ海を協力の海に』と主張しており、中国側が単独で調査するのは認められない。何らかの手立てを考えたい」と述べた。
このニュースは、以後の流れとは直接関係しませんが、全く無関係とも言えない気がします。
そして翌15日、事態が表面化します。

◆読売新聞 4月16日1時25分
中国、中間線付近の船舶航行を禁止…ガス田拡張のため
 中国海事局が、東シナ海の「平湖」ガス田拡張工事のためとして、日本が排他的経済水域(EEZ)の境界とする「日中中間線」周辺の海域で作業船を除く船舶の航行を禁止する通知を今年3月1日付で出していたことが15日、分かった。
 日中関係筋によると、航行禁止海域は、日中中間線をまたぎ、日本側まで広がっている。
 今回の通知には、3月上旬に行われた東シナ海の天然ガス田開発問題を巡る日中両政府の局長級協議に先立ち、日本側をけん制する狙いがあった模様だ。日本政府は、中国の真意などをただしているが、中国の対応次第では、日本側の強い反発を招く可能性がある。
 海事局のウェブサイトによると、対象は北緯27度7分、東経124度55分付近から北緯29度4分、東経124度54分付近までを結ぶ帯状の海域。工事は海底でのパイプラインやケーブル敷設などで、作業期間は3月1日から9月30日まで。
 中国側は大陸棚を境界と主張する一方、日中中間線を境界として認めず、日本が権益を主張する中間線付近のガス田開発について「係争のない水域」で行っていると主張している。
中国絡みですから、以後は中国に厳しい視線を送る産経新聞から引用しましょう。
◆産経新聞 4月16日7時50分
中国が中間線またぎ「作業海域」設定、航行も禁止
 中国政府が、ガス田開発をめぐり日中間の摩擦が続いている東シナ海で、一般船舶の航行を禁じる海域を設定し、公示していたことが十五日分かった。対象海域は日本が排他的経済水域(EEZ)に基づき主張する中間線を越えている。日中関係筋によると、日本政府への事前通告はなく、日本側の反発は必至だ。
 公示は、三月一日の海事局ホームページに掲載された。それによると、中国側は「平湖ガス田」の拡張工事のため、三月一日から九月末まで中国の作業船を除く船舶に対し、同ガス田付近海域への立ち入りを禁止。指定海域は「中間線」をまたぎ、南北二百キロ、東西三・六キロに及ぶ。
 平湖ガス田は、白樺(中国名・春暁)や樫(同・天外天)と同じく中国海洋石油が開発中で、「中間線」に近く、尖閣諸島(同・釣魚島)の北側に位置する。
 日中両政府は三月六、七両日、北京で東シナ海のガス田開発協議を行い、日本側は中間線をはさんだ海域での共同開発を提案したが、中国側は拒否、不調に終わった。
 中国側が協議に先立ち設定した航行禁止海域は、日本の中間線主張を拒否する従来の立場を行動で示した形で、日本側を強く刺激、今後の協議を一層複雑にするとみられている。
◆同上 4月17日朝刊(東京版)
東シナ海航行禁止 中国、正式通告せず 海洋法条約、抵触の恐れ
 中国政府が、東シナ海の石油ガス田開発にからみ、日本が主張する日中中間線をまたいだ海域で一般船舶の航行禁止を公示していた問題で、中国側は日本政府に約一カ月半にわたり正式に通告していないことが十六日、分かった。複数の政府筋が明らかにした。今回の中国側の措置は、公海自由の原則を定めた国連海洋法条約などに抵触する恐れもあり、政府は十七日にも中国政府に抗議する方向で調整している。
                  ◇
 複数の政府筋によると、この情報が政府首脳周辺にもたらされたのは十五日。水産庁からの問い合わせがきっかけだった。首相官邸が外務、経済産業両省に照会したところ、「中国側から航行禁止の通告はない」と説明。他の関係省庁にも事実関係の確認を指示したところ、海上保安庁が、中国海事局のホームページ上で公示されているのを知り、中国側に照会したという。政府は外交ルートでも中国側に説明を求めているが、明確な回答はまだないという。
 海上保安庁は十四日に公示を知ったという情報もある。ただ、ホームページの真贋(しんがん)がはっきりしなかったこともあり、「不審情報」として、同日中に情報当局を経由し首相周辺に報告したという。
 中国海事局のホームページによると、同局は「平湖ガス田」の拡張工事のため三月一日から九月末まで、中国の作業船を除く船舶に同ガス田付近海域への立ち入り禁止を公示した。指定海域は日中中間線から日本側へまたいでおり、南北二百キロ、東西三・六キロに及んでいる。
 日中両政府は先月六、七の両日、ガス田開発をめぐる第四回協議を北京で開いたが、中国側はこのときすでに航行禁止を公示していたことになる。協議で中国側は、中間線に近接する「白樺」(中国名・春暁)の開発中止を拒否したうえ、新たに尖閣諸島と日韓共同大陸棚までの共同開発を提案した。しかし、航行禁止については一切説明がなかったという。
 中国側が、日本が排他的経済水域(EEZ)と主張する海域まで一方的に航行を禁止すると公示したうえ、正式なルートで日本政府に通告していないことは、東シナ海を航行する船舶の安全上も重大な瑕疵(かし)がある。
 また、先月一日の公示後、日本政府が公示の事実を把握できずにきたことも大きな“落ち度”だといえ、政府はこの間の経緯について、外務、経済産業、国土交通など関係省庁を中心に調査する方針だ。
 一方、自民党の武部勤幹事長は十六日、フジテレビの番組で、「事実とすれば遺憾に堪えない。抗議しなければならない」と述べた。
◆同上 4月17日12時16分
東シナ海航行禁止は条約違反 政府、中国に懸念
 安倍晋三官房長官は17日午前の記者会見で、中国政府が東シナ海の石油ガス田開発にからみ、日本が主張する日中中間線をまたいだ海域で一般船舶の航行禁止を公示していた問題について、同日までに「日本の主権的権利を侵害し、国連海洋法条約に反する可能性がある」として、中国側に懸念を伝えたことを明らかにした。
 これに対し、中国側は沖縄トラフまでを自国の排他的経済水域(EEZ)とする従来の立場を強調した上で「早急に外交ルートを通じて回答したい」と応じたという。
 政府は中国側への抗議も含め対応を検討しているが、安倍氏は「まずは事実関係を確認してからだ」と述べ、外務、経済産業、国土交通など関係省庁に対し、事実関係を調査するように命じたことを明らかにした。
 その上で、安倍氏は「東シナ海を平和の海にするため、共同開発という考えに基づき話し合いで解決したい。中国側も両国の利益のために未来志向で話し合うことが大切だ」と述べた。
 一方、小泉純一郎首相は同日昼、首相官邸で記者団に対し「どういうことか冷静に対応したい」と述べた。
【以後省略】
◆同上 4月18日2時4分
東シナ海航行禁止 官邸報告は2週間後
 東シナ海の石油ガス田開発にからみ、中国政府が日中中間線をまたいで一般船舶の航行禁止を公示していた問題で、海上保安庁は3月下旬にこの事実を把握したものの、首相官邸に報告があったのは今月14日だったことが17日、分かった。複数の政府筋が明らかにした。外務省が中国側に初めて照会したのも同じ14日で、政府の危機管理体制が改めて問われる形となった。
 今月9―12日は、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の各国代表による非公式協議が東京で行われ、中国の武大偉外務次官も来日していたため、この最中に問題が表面化することを避けたとの見方も広がっている。
 関係筋によると、海上保安庁は3月下旬、中国海事局のホームページで航行禁止の公示を見つけた。即座に海事局にメールで事実関係を問い合わせたが、中国側は1週間返答しなかった上、その後、平湖ガス田の拡張工事自体を否定するメールを送ってくるなどちぐはぐな対応を続けたため、事実関係を確認できなかったという。
 海上保安庁は今月13日午後8時、独自に航行禁止措置を確認できたとして、日本の船舶代理店に周辺海域を通過する船舶に対する航行警報を発令。同日午後9時には、国際海事機関(IMO)の取り決めに基づき、韓国やインドネシア、マレーシアなど関係9カ国に航行警報を出した。
 一方、海上保安庁は海事局への問い合わせとともに、外務省に外交ルートでの照会を依頼していたが、外務省が正式に中国側に事実関係をただしたのは航行警報発令後の14日。16日に改めて「日本の主権的権利を侵害し、国連海洋法条約に反する可能性がある」との懸念を伝えたが、中国側は沖縄トラフまでを自国の排他的経済水域(EEZ)とする従来の立場を強調した上で、「早急に回答したい」と応じたという。
 首相官邸には14日午後、海上保安庁から情報当局を通じて事実関係が報告された。しかし、この時点では政府首脳らに情報が十分に伝わらず、15日に水産庁から警報についての問い合わせがあったことをきっかけに問題が表面化したという。
 安倍晋三官房長官は17日の記者会見で、先月6、7の両日に北京で開催されたガス田開発をめぐる第4回日中政府間協議の際、中国側が航行禁止に言及しなかったことを明らかにした上で、「率直な意見交換を行っていくことが双方の信頼関係を醸成する観点から重要だ。この問題も日中間でよく協議していかなければいけない」と不快感を示した。
【以後省略】
日本側にも、問題が大ありです。
そして、ようやく中国が反応。

◆同上 4月18日11時30分
中国、航行禁止海域は「誤り」 日本に修正説明
 東シナ海の石油ガス田開発にからんで中国が一般船舶の航行禁止を公示していた問題で、外務省は18日未明、中国政府が「技術的な誤りがあった」とガス田拡張工事の範囲を訂正したことを明らかにした。航行禁止の範囲が日中中間線をまたぐため、政府は「わが国の主権的権利を侵害する」(安倍晋三官房長官)と反発していたが、訂正で範囲は中国側水域におさまることになる。
 中国側はこれまで「平湖ガス田」拡張工事を理由に航行禁止とする作業範囲を「北緯27度7分、東経124度55分から北緯29度4分、東経124度54分まで」としていたが、中国外交部は17日深夜、在中国日本大使館「北緯29度7分、東経124度55分」と修正することを伝達してきた。
 安倍氏は18日午前の記者会見で、「日中関係にとって微妙な問題を含む地域だ。単純ミスという印象を受けているが、今後は速やかな対応をしてほしい」と中国側の対応を批判するとともに、拡張工事自体にも「日中中間線の中国側であっても、他国の権利、義務に妥当な考慮を払うべきだ」と注文をつけた。
一件落着。そして日本政府の反省の弁(?)。
◆同上 4月18日12時57分
「何が問題か検討」航行禁止対応遅れで首相
 小泉純一郎首相は18日昼、東シナ海の石油ガス田開発で、中国側が公示した航行禁止の範囲が中国側水域の誤りだったことが判明したことに関連、政府内部の情報の共有が遅れたことについて「現場でしっかり対応するように、何が問題で、これから何が必要かよく検討している。再発防止も含めてしっかりと対応する」と述べた。
 首相官邸で記者団の質問に答えた。
まとめの記事を、読売新聞から。
◆読売新聞 4月18日23時30分
航行禁止問題で政府、中国に理由ただす方針
 中国が東シナ海の一部水域における船舶の航行禁止を通知した問題で、政府は今後、中国側に航行禁止の理由や根拠をただす方針だ。
 中国側は通知内容を修正し、日中中間線の日本側は含まれなくなったが、それでも国際法上の根拠がない行為と見なしているためだ。
 国連海洋法条約は、自国の排他的経済水域(EEZ)内で、施設や構築物の周囲に安全水域を設け、船舶の航行を制限できるとしている。ただ、安全水域は、施設などからの距離が「500メートルを超えてはならない」と定めている。中国が航行禁止を通知した水域は、修正後でも東西約3・6キロ、南北5キロに及び、この規定を大幅に超えている。
 条約上の「安全水域」は、「すべての船舶が尊重しなければならない」と規定されており、侵入した船舶に強制的な退去を命じる根拠となる。中国が自らの設定した水域を同様のものと見なしていれば、日本船舶が通過した際に危険が生じる可能性も出てくる。
 外務省幹部は18日、「日本船舶の航行の自由や漁業操業を、中国が過度に害することがないように注視していく必要がある。法や条約の根拠のない措置ならば、拿捕(だほ)など強制的な取り締まりも認められない」と強調した。
 一方、この問題では、外務省が中国の通知を3月28日に把握しながら、海上保安庁の航行警報の発令は今月13日、官邸への報告は16日だったことが明らかになっている。
 安倍官房長官は18日、谷内正太郎外務次官石川裕己・海上保安庁長官を首相官邸に呼び、連絡を密にするよう指示した。安倍長官はその後の記者会見で、「諸外国による航行通告などの情報をどう収集し、報告するか。今回の件を早急に検証して改善すべきは改善したい」と強調した。これを受け、政府は内閣官房、外務省、資源エネルギー庁、水産庁などによる関係省庁会議を開き、係争水域で発生した事案に関する情報共有や連携強化を図ることを確認した。
次のエントリーに続きます。
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by Hi-Zettaisha | 2006-04-21 23:02 | 政治・軍事・外交