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世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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未成年者犯罪の刑罰と実名報道と、犯罪抑止効果

中高生や、刑法上「少年」と見做される未成年による凶悪犯罪が続いています。
最近では、この二つの事件。
◆毎日新聞 4月22日3時26分(エキサイトニュース)
<岐阜中2殺害>友人の15歳少年を殺人容疑で緊急逮捕
 岐阜県中津川市中津川のパチンコ店の空き店舗で、近くの飲食店経営、S・Kさん(40)の長女で同市立第二中2年、清水直(なお)さん(13)が殺害されているのが見つかった事件で、県警中津川署特別捜査本部は21日夜、清水さんの友人で同市内に住む高校生1年生の少年(15)殺人容疑で緊急逮捕した。
 調べでは、少年は19日午後6時半ごろ、同市中津川の空き店舗3階の1室で、清水さんの頭を棒状のもので殴った上、布のようなもので首を絞めて殺害した疑い。少年は容疑を認めているという。
現場となった元パチンコ屋の建物は、私もこの目で見たことがあります。
新聞ではいかにも善人のように報じられている被害者も、もちろん加害者も、この廃屋にたむろしていたわけです。
死者に鞭打つのも何ですが、それだけで昔の基準で言えば「不良」です。



◆毎日新聞 4月25日9時5分(エキサイトニュース)
<写真店主殺害>16歳少年逮捕「誰でも良かった」 和歌山
 24日午後7時半ごろ、和歌山県高野町高野山、久保田写真館の台所で、経営者のK・Kさん(71)が血を流して倒れているのを近所の男性が発見し、119番通報した。既に死亡しており、県警橋本署が殺人容疑で捜査を開始。同11時ごろ、同県在住の高校2年の少年(16)が「高野山で殴ってけがをさせた」と大阪府警四条畷署に出頭し、25日未明、県警に殺人容疑で逮捕された。少年は「(久保田さんが)死んでもいいと思った」「むしゃくしゃした気持ちを晴らすため、誰でも良かった」と供述しており、橋本署は動機などをさらに追及している。
前の事件の犯人の供述からは(警察での供述内容と、弁護人への話の内容を変えているところからも)狡猾さが窺えますが、こちらの犯人の供述からは「相手を確実に殺す」ための行動を取っている印象を受けます。
警察は「動機を追及する」と言っていますが、どうせそれほど大した動機ではないでしょう。
被害者は、加害者と関わりがあったわけではないのですから。

そして「凶悪」な犯罪ではありませんが、下記のような「悪質」極まりない犯罪も起きています。
◆共同通信 4月28日12時51分(エキサイトニュース)
「気の弱い店員の日狙う」 少年9人逮捕、店は閉店
 集団でコンビニに押しかけ品物や売上金を盗んだとして、警視庁少年事件課は28日までに、窃盗の疑いで東京都練馬区の無職少年(16)ら15-16歳の少年9人を逮捕した。
 少年らは「気の弱そうな店員のいる日を狙った」と話し、同じ男性店員(27)が勤務する木曜日の夜ばかりを狙って、昨年8月ごろから数十回の犯行を繰り返していた。
 男性店員が見て見ぬふりをするのをいいことに、売上金や酒などを持ち出したり、店内で好き勝手に商品を飲み食いしたりするなどしていた。男性店員は「怖くて言い出せなかった」と話しているという。店は今年3月、営業不振で閉店に追い込まれた。
もう少し詳しい記事を、読売新聞から。
◆読売新聞 4月28日12時52分
万引き被害50回以上、コンビニ閉店…少年9人を逮捕

 東京都豊島区の同じコンビニエンスストアだけを狙って万引きを繰り返していたとして、警視庁少年事件課は28日、都立高校定時制1年の少年(16)ら15~16歳の少年グループ9人窃盗の疑いで逮捕したと発表した。
【中略】
 調べによると、9人は昨年11月11日未明、豊島区巣鴨1のコンビニエンスストアで、同店の男性店員(27)を取り囲んで注意をそらし、店内事務所の金庫から現金17万2500円を盗んだほか、店外の自動販売機から、現金約4万円と、たばこ218箱(6万2500円相当)を盗み出した疑い。
【中略】
少年たちは調べに対し、この店員について「弱そうで注意もしなかったので狙った」などと供述している。
 1回あたりの被害額は数万円で、一昨年10月に同店をオープンした経営者の男性(58)は、被害が多発するため、閉店を決断せざるを得なかったという。
これだけ常習的に行っているのですから、「万引き」なんて言葉を使うべきではないですね。
犯人たちに、罪の意識は無いでしょう(あれば、やめています)。
逮捕されて、言葉の上では「反省しています」と言うでしょうが、情状酌量目当ての演技である可能性も高いでしょう。
女子高校生コンクリート詰め殺人事件、光市母子殺害事件、栃木リンチ殺人事件。
これらの事件の犯人の逮捕後の言動を見ていれば、充分予測できます。

これらは全て、いわゆる“少年犯罪”です。
法庫comから「少年法」を引用します(太字は引用者)。
第1章 総 則
(この法律の目的)
第1条 この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年及び少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。
(少年、成人、保護者)
第2条 この法律で「少年」とは、20歳に満たない者をいい、「成人」とは、満20歳以上の者をいう。
2 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に監護する者をいう。
法律用語の「少年」は「年少者」の意味合いで、世間一般で使う用語としては「未成年者」の方が正確ですね。
報道機関には「未成年者犯罪」と呼んで欲しいものです。

残虐・凶悪・悪質な未成年者犯罪が起きるたびに、一方で槍玉に挙げられ、もう一方で強力に擁護されるのがこの「少年法」。
未成年者故に実名報道されず、刑も軽く、場合によっては刑罰を免除される現状には、私も不満を持っています。
本来は年齢ではなく、罪の重さと内容、性質を鑑みて刑罰を決定すべきです。
そして、これは報道の話になりますが、微罪でも成人であれば実名報道され、社会的な制裁を受けるのに、未成年者の場合は凶悪犯罪でも実名が公表されず、社会的な制裁を受けません。
これも、少年法が存在することによる、無視できない弊害でしょう。
「実名が出ない」「刑が軽い」。
これらが、未成年者犯罪を抑止する力を弱めているのが現実だと思います。

こんなブログのエントリーを読みました。
◆『日本のお姉さん』「子供の性的イタズラ
家の近所の大型スーパーのファーストフードの店で、5歳の
女の子がお母さんと食事をしていたのだが、トイレに行きたいと
言い出し、隣のトイレに1人で入ったところ、トイレに潜んでいた
中学生に強姦されてしまった。
お母さんが子供の帰りが遅いので、トイレに様子を見に行くと
女の子が血だらけになってボオッ、、、と呆けたように立っていたのだという。
直ぐ救急車で病院に運ばれたが、女の子は子宮破裂の重症で、
結局子宮を丸ごと摘出するしかなく、5歳にして将来子供が作れない身体
になった。
それ以来、そのトイレは封鎖された。中学生の男の子は、
捕まったが未成年なので、お咎めはあまり無く、直ぐに実社会に
戻ったそうだ。今頃どこで、何をしているやら。
「少年法」が作られたのは、敗戦後のまだ社会が混乱していた頃の昭和23年。
その精神は「未成年者は保護すべき存在で、食うに困って罪を犯した者は厳罰に処すより、更生させるべき」というものです。
「子供は国の宝」それは今でも正しいでしょう。
しかし、上で述べた犯罪は全て、「食うに困って」の犯罪ではありません。
どちらかというと豊かな社会を背景にした、享楽主義的な考え方の元での犯罪に思えます。
そんな背景で罪を犯した者も、保護しなくてはいけないのでしょうか。

そもそも、成年(成人)と未成年の違いは何でしょう?
社会を構成する人間として、「一人前」なのが成年のはずです。
現実は違いますが(苦笑)

「一人前」の人間は、義務を果たし、自らの行動に責任を負う代わりに、権利を得ます。
納税の義務を負います。
選挙の投票権を得ます。
酒を飲む自由、煙草を吸う自由も得ます。
もっともこちらは、生物として身体が完成しているかどうか、成長に悪影響が出ないかどうかに関係していますが。

未成年は、社会を構成する人間として「一人前」ではありませんから、親の保護下に置かれます。
責任を負わない代わりに、権利は制限されます。
今の世の中は、「未成年に対して、全ての権利を与えても当然」という雰囲気がありますが、それは正しくないと私は考えます。

しかし罪は、成年だろうが未成年だろうが償わなければなりません。
犯罪の結果(相手が財産を失い、命を失う)に、成年か未成年かは関係ありませんから。
未成年が責任を負わないとは言っても、限度があります。
自らが人生を楽しむために人を殺し、その人の人生を奪った者は、その報いを受けなければなりません。
「少年法」の考える、年齢による無条件での刑の軽減は不当です。

そして報道機関は、未成年犯罪者の匿名報道をやめるべきです。
例えば、このニュース。
◆読売新聞 4月27日3時12分
栃木リンチ殺人、主犯格の元少年は控訴せず
 少年グループからリンチを受けた末に殺害された栃木県上三川町の会社員須藤正和さん(当時19歳)の遺族が、県と元少年3人(1人は和解)、その親を相手取り約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、主犯格の元少年(25)(服役中)が控訴しないことが26日わかった。
 宇都宮地裁は12日、元少年2人と県に計1億1270万円の支払いを命じ、県は控訴している。
「元少年」とは何ですか。
未成年で犯罪を犯したら、成人しても実名を出されず、保護されるのですか。
被害者は、未成年でも実名を晒されているではありませんか。
いい加減、「被害者に人権無し、加害者は保護」はやめて下さい!

未成年の加害者の実名がマスコミで晒されるということは、未成年者が罪を犯そうとする時に心理的抵抗となって働き、結果として犯罪を抑止することに繋がると私は考えます。
もちろん、犯罪を完全に抑止することは不可能ですが、多少の効果はあるでしょう。
被害者の感情、遺族の感情も少しは満足させられるでしょう。
マスコミも、被害者の実名報道にあれほど拘ったのですから、加害者の実名報道にも同じくらいの拘りを見せて欲しいです。

もう一つ、エントリーを立てます。

※参考資料
女子高校生コンクリート詰め殺人事件:『【コンクリ】途中参加者の為のまとめ【風化防止】
栃木リンチ殺人事件:黒木昭雄氏のホームページ『栃木リンチ殺人事件・警察はなぜ動かなかったのか』
未成年者犯罪全般:葵龍雄氏のホームページ『クソガキ事件情報
by Hi-Zettaisha | 2006-04-28 22:54 | 教育・社会・科学