世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
カレンダー

2006年 03月 08日 ( 1 )

平成16年1月16日に先遣隊が日本を発って以来、2年の長きにわたる陸上自衛隊イラク派遣部隊の活動。
他国軍がイラクでの活動に適した装備で活動する中、“人道支援”を強調するために(酷暑地域での活動には向かない)国内戦用の迷彩服のまま、過酷な任務を強いられてきたイラクの陸自部隊。
幸いなことに(“反戦平和主義者”たちが密かに期待していた)イラク人との武力衝突もなく、戦死傷者が出ていないのは何よりです。
“日本軍”に不満を持つ者も、直接日本人を殺害するとイラク人の猛反発を受けそうな空気があるからか、ロケット弾によるデモンストレーションでお茶を濁しています。
これもイラクのインフラ構築に力を注いだ技術者や商社員、大東亜戦争や日露戦争を戦った人たちという、先人の業績のお蔭でしょう。

その陸自部隊のサマーワ撤収が、いよいよスケジュールに乗りました。
◆産経新聞 3月7日朝刊
イラク陸自 来月中旬以降から撤収 支援部隊100人増派
 政府は六日、イラク南部サマワに駐留する陸上自衛隊の撤収を、四月中旬以降に開始する方針を固めた。サマワの治安維持を担う英軍の撤収開始時期が先送りされたためで、オーストラリア軍は陸自の撤収完了まで支援する。撤収にあたり陸自は、百人規模の撤収支援部隊を、新たに派遣命令を発令して増派する。宿営地はイラク治安当局にあけ渡す方向だ。
陸自は自分の部隊を守る警備部隊を持ってはいますが、イラク国内の(イラク人を対象とした)治安維持活動は行っていないので、治安維持に当たるオーストラリア軍との連携が必須なのです。

それと連動しているのかしていないのか判りませんが、エキサイトのニュースにこういうもの↓がありました。
◆共同通信 3月5日
米英軍、来春撤退と報道 イラク駐留、米軍は否定
5日付の英紙サンデー・テレグラフなどは、英国防筋の情報として、米英両国がイラクに駐留するすべての兵員を2007年春までに撤退させる計画を進めていると報じた。ロイター通信によると、駐留米軍の報道官は「全くの誤報だ」と全面否定した。米軍制服組トップのペース統合参謀本部議長(海兵隊大将)も「真実ではない」と米FOXテレビで報道を否定した。
 同紙によると、両国は駐留軍の存在自体が、イラクの「平和に向けた主要な障害」との認識で一致。計画によると、今後1年間の撤退は小規模にとどまるが、来春の段階でイラク新政府が大多数の国民の支持を得ていると確認されれば、一斉に撤退を開始する予定。
 計画を見直すのは、本格的な内戦が起こった場合だけという。
気の早い人は「占領軍の存在がイラク混乱の原因と、当事者自らが認めた」と喜ぶでしょうが、ちょっと待って下さい。
新聞社は『サンデー・テレグラフ』、記事は詳細、しかし米軍当局者は全面否定。
このパターンでは、以前にもこういうニュースがありました。
◆産経新聞(共同通信配信記事)2月12日
「米がイラン核施設の攻撃を準備」と英紙報道
12日付英紙サンデー・テレグラフは、米国がイランの核兵器保有を防ぐため、同国の核関連施設への軍事攻撃に向けて準備を進めていると報じた。外交交渉が失敗した場合に備えた"最後の手段"として、国防総省が空爆を中心とした具体的な計画を立案しているという。
 同紙によると、国防総省の専門家が攻撃対象や使用兵器、後方支援作戦などを検討中で、ラムズフェルド国防長官にも報告された。同省高官は「この数カ月間、非常な緊急性を持って準備が進んだ」と指摘した。
 最も考えられる戦略の1つは、地下施設破壊を目的とした特殊貫通弾(バンカーバスター)も登載するB2ステルス爆撃機による攻撃。空中給油機とともに米ミズーリ州の基地を出発した爆撃機がイラン上空を目指す。開発が間に合えば、潜水艦から通常型弾道ミサイルが発射される可能性もある。
【以降省略】
これも日本国内では(ブログを読んだ感じでは)過剰反応を招きましたが、「アメリカはイランを攻撃したくて仕方がない」と受け取るのは、読みが浅い証拠。
「開発が間に合えば」、つまり未だ開発中で実戦配備されていない手段まで提示するのには、それ相応の意味があります。
この報道の前にあった、このニュースを思い出して下さい。
◆読売新聞 1月28日
攻撃された弾道ミサイル使う、イランの司令官が警告
 イラン革命防衛隊のサファビ司令官は28日、「イランは弾道ミサイルを製造している。攻撃された場合、有効な反撃を行う能力がある」と述べ、同国核問題に絡んで軍事行動がとられた際には弾道ミサイルを使うと警告した。
 国営テレビが伝えた。司令官の警告は、報復能力を強調することで、イランへの圧力を強める米国やイスラエルをけん制する狙いがあるとみられる。
何かと反発を受けやすい、“超大国”アメリカ。
その政府当局者が過激な発言をしたり、マスコミが大々的に書き立てたりすると、及ぼす影響が大き過ぎます。
そこでアメリカよりは反発を受けにくいイギリスのメディアを使って情報を流し、表向きは否定することでメッセージを送る訳です。
イランの場合は、政府当局者、特にアフマディネジャド大統領を支持する勢力に対する警告でした。
今回のメッセージは、誰に向けられたものでしょう?

「2007年春までに」というのがキーです。
イラク政府当局者には「自前で治安を維持できる態勢を早く作れ」、イラク国民には「出て行くことに決めたから、そんなに敵意を持つな」、外国人武装勢力には「お前たちがいくらイラクを混乱させても、俺たちは出て行く」というメッセージではないでしょうか。
米英軍が完全に撤退したら、外国人武装勢力にはイラクでの存在意義が無くなりますから。

そして、この報道にはちゃんとフォローが付きます。エキサイトのニュースから。
◆ロイター 3月7日(ロンドン発)
英軍のイラク撤退、2008年夏までに完了─英軍中将
 イラク駐留英軍のホートン中将は、7日付のデーリー・テレグラフ紙とのインタビューで、英軍部隊のイラク撤退について、今後数週間以内に開始し、2008年夏までにほぼ全将兵の撤退を完了する見通しを明らかにした。
【中略】
 また、イラク国民に対して英軍が永久に駐留するつもりがないことを示すため、段階的な撤退を早期に開始する必要があると述べたうえで、撤退計画の実現については、昨年12月のイラク国民議会選挙で選出された議員が国民統一政府を築き、宗派間の対立が悪化しないことが条件となるとの見解を示した。
 ただ、英国防省報道官は、同中将のインタビューを確認したが、最終的な撤退時期は確定していないと強調した。
◆ロイター 3月7日(キャンベラ発)
オーストラリア軍のイラク駐留、2007年まで続ける―国防相
 オーストラリアのネルソン国防相は、自国軍のイラク駐留を2007年まで続ける方針を明らかにした。オーストラリアは、日本の陸上自衛隊の警護に当たるため、イラク南部のムサンナ州に約450人の兵士を駐留させている。
アメリカ、イギリス、オーストラリア各国とも、見事に連携しています。
そして日本は…、どうなんでしょう?
[PR]
by Hi-Zettaisha | 2006-03-08 02:25 | 政治・軍事・外交