世の中のいろいろなことに対して、少しばかり主張してみます。


by Hi-Zettaisha
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カテゴリ:政治・軍事・外交( 26 )

エキサイトのニュースから。
◆毎日新聞 3月5日
<岩国移転>米部隊受け入れで住民投票告示、投票は12日
 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機部隊移転受け入れの賛否を問う岩国市の住民投票が5日、告示された。12日に投票されるが、投票率が50%を下回った場合は「不成立」として開票されない。
【中略】
 住民投票は「賛成」「反対」の二者択一。法的拘束力はないが、市長、市議会、市民は結果を尊重する。
 地元は当初、移設案に反対したが、国は受け入れと引き換えに岩国基地の民間空港共同使用などの見返りを示し、経済界や市議会などが容認に傾いた。移設を容認しない立場の井原勝介市長は「民主主義の原点に返り、市民が意思を表明する機会が必要」として2月7日、市条例に基づき発議した。
【中略】
 当初反対していた山口県の二井関成知事も「地元意向を尊重」を前提に「騒音などは現状より悪化しない」との見解を示し、容認に傾いている。
【中略】
▽井原勝介市長の話
 投票結果が、賛成多数なら受け入れを前提に騒音軽減などを要請する。反対多数なら、撤回を求めたうえ、厚木基地周辺住民の負担軽減の方策を検討するよう要請する。
▽額賀福志郎防衛庁長官の話
 市民の対応がどう出るか、関心を持って見守りたい。地域の問題であるのか、国家全体の問題であるのか、地域住民の皆さんによく考えていただければありがたい。
在日米軍(と自衛隊部隊)再編問題。
沖縄駐留米軍の本土移転による「沖縄の負担軽減」に、決定的な悪影響を与えかねないこの住民投票。
地元の中国新聞でも特集を組んでいますが、やはり「移駐反対」が社論のようです。
岩国基地については、騒音対策も兼ねて沖合への移動が図られています(山口県の「岩国基地沖合移設対策室」のページを参照)が、その辺りは中国新聞の記事でも、意図的にか触れられていません。
岩国基地についてはマイナス面のみを強調したいようです。
このような雰囲気が現地でも充満しているのなら、「移設反対」の民意が示されるかも知れません。
ただそうなったとしても、市長にできることは「要請(お願い)」に過ぎませんと自ら述べていますから、厚木基地の騒音問題は解決されず、現状維持にしかならないのは明らかです。

新たに部隊や訓練を受け入れる側は、このように「基地機能の強化だ」「事故の可能性が増す」などと話題にされますが、駐留部隊が減る側、訓練が無くなる側についてはほとんど話題にされませんね。
この問題は、個々の基地問題を見るだけでは判りません。全体像を知る必要があります。
しかし、なかなか解りやすい資料がありませんね。
公式なものとしては、外務省のホームページに「日米同盟:未来のための変革と再編(仮訳)」があります。
ただし図解が無いため、丹念に読まないと全体像が浮かんできません。
図解で比較的判りやすいのが、米軍再編に反対する日本共産党のホームページ(笑)「日米両政府が狙う米軍再編案/JCP特集2005」です。

「負担軽減」される側を南から順に挙げてみると
・普天間飛行場:全部隊の移転により基地そのものを廃止、土地使用権を日本側が回復。
・キャンプフォスター(瑞慶覧):各部隊司令部を下記のキャンプコートニーに移転。
・嘉手納飛行場:F-15戦闘機の訓練(タッチアンドゴー含む)を移転し、騒音軽減
・キャンプコートニー:第三海兵遠征軍司令部をグアムに移転。7000人の人員削減
・岩国飛行場:海上自衛隊の一部部隊を移転。
・厚木飛行場:航空母艦搭載機を移転することで夜間離着陸訓練(NLP)が終了し、騒音軽減
他にも、岩国飛行場と三沢飛行場に所属する部隊の訓練を、自衛隊の基地に移転することが検討されています。
また、嘉手納飛行場を航空自衛隊が使用することで、過密状態の那覇基地から自衛隊部隊を移転する可能性も考えられます。
※在日アメリカ海兵隊の部隊名については、「在日米国海兵隊ホームページ」で確認できます。

もちろん単純に「負担が軽減されるからOK」とはなりませんが、「負担増加」にばかり注目するのではなく、全体的に見て利害得失を考えなければなりません。
もとより日本の利害とアメリカの利害が完全に一致しない以上、「中間報告」は日米間の現状の力関係を反映したものです。完璧ではありません。
しかし「総論賛成・各論反対」の典型のような現状では、一歩も先には進めません。
「オール・オア・ナンシング」ではなく、「沖縄の負担軽減」に少しでもつながるのなら、「中間報告」の線で進むことは国民の利益に叶うことだと私は考えます。

基地問題の源である、在日米軍そのものの存在や自衛隊の位置付け、そして日本国憲法第9条との関係については書きたいことが山ほどありますが、それは別の機会に譲りたいと思います。

最後に一言。
「沖縄の負担軽減!」と声高に叫ぶ、共産党を始めとする“基地反対運動”の人々。
しかし「沖縄の負担軽減」に結びつくF-15の訓練の移転先では、現地の共産党を始めとする“基地反対運動”の人々が「訓練移転反対!」「基地強化反対!」と声高に叫んでいます。
「沖縄の負担軽減」のために、少しでも「本土」の人間がその負荷を引き受けるのではなかったのですか?
全てについて「反対!」。これでは、何も解決しません。
彼らは、別に問題が解決しなくても、「反米」気運が高まるのであればそれで満足なのかも知れませんが。
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-07 01:05 | 政治・軍事・外交
【追記】
一昨年秋にイラクに入国して武装勢力に捕らえられ、殺された香田証生氏の事件の犯人がイラク警察に逮捕されたようです。
3月2日のエキサイトのニュースから。
◆共同通信 3月1日
香田さん殺害容疑者逮捕か 日本大使館、確認急ぐ
 在イラク日本大使館は1日、2004年10月に福岡県出身の香田証生さん=当時(24)=がイラクで殺害された事件で、容疑者が逮捕されたとの情報があり、イラク内務省に確認中だと明らかにした。
【中略】
 大使館はイラク内務省に対し、逮捕の事実の有無や供述内容などについて正式な報告を要請。「現在調査中」との返答を得ているという。
イラク内務省からの回答は3日10時(現地時間)の予定で、今のところ公式には未確認情報のままですが
◆共同通信 3月2日
香田さん殺害を自供 イラク内務省拘束中の男
 イラクで2004年10月に福岡県出身の香田証生さん=当時(24)=が殺害された事件で、首都バグダッドの警察幹部は2日、内務省が拘束した男が香田さん殺害を自供したことを明らかにした。男の背後関係などは不明だが、事件ではイスラム教スンニ派の過激派「イラク聖戦アルカイダ組織」が犯行声明を出している。
 警察幹部によると、男は香田さんについて「何をしにイラクに来たのか分からずスパイだと思った。日本政府が陸上自衛隊の撤退に応じなかったので殺害した」などと供述している。
昨日のエントリーにも書いた「Peace On Iraq」が、早速こう書いています
あの時も、そして今も我々が問いかけられているものは、「誰が香田さんを殺したか」ではなく、「なぜ彼が殺されなければならなかったのか」だと思う。そして、「なぜあんな危ないところに行ったか」ではなく、「なぜあんなにイラクが危なくなってしまったのか」ではないだろうか。

苦しいことだが、もう一度あの時のことを振り返ってみよう。日本政府の「撤退はしない」という交渉への含みゼロの即答を受けて、幸田さんは「米国旗」の前で「日本人」ということだけで殺された。このことが何を意味するか。香田さんはまさに私たち日本人がイラクに積み重ねてきた罪を一身に背負って亡くなっていった。それこそ、日本もその一員である国連お墨付きの大量虐殺である経済制裁という罪から、今日の混乱の元凶である米英軍によるイラク侵略戦争を支持し、侵略軍に付き従う自衛隊という武装組織を送り出し、挙句の果てにはあのファッルージャ総攻撃まで支持してしまったこの国の最高責任者の罪と、その責任者を結局変えることが出来なかった私たち有権者一人ひとりの罪を一身に背負って。
人の死を、自分たちの都合のいいように解釈して使おうとする、その姿勢。
またまた嫌悪感が増してきました

こういう人たちが、昨年5月に斎藤昭彦氏が同じように武装勢力に捕らえられた時、陰で何と言っていたのかと言えば
「斉藤氏は被害者ではなく犯罪人」
「斉藤氏のような侵略者は、侵略者と命がけで戦っているイスラム戦士によって生首処刑されても仕方がないと思いますし、また、斉藤氏自身が侵略者である以上生首処刑されるべきだと思います。」
「金もらって人殺し。(そんな人生は)ないほうがいいでしょう」
「イラク紛争を、勝手に引き起こした、アメリカに加担しているイギリスの警備会社とあっては、同情の余地なし」
「彼は単なる人類ゴミ科生命体だと思う」
「傭兵(金で人殺しを(戦争)するんでしょう)でしょ。親族の方には悪いけど、自業自得かな。今まで金のために、人殺し(戦争)をやってきて今回その報いがきたんじゃないかな」
「自衛隊が行くから悪い!」
「今回は。殺されても納得する国民が多いのではないでしょうか」
「頼むから 死んでくれ」
(以上、某所掲示板より抜粋を採録。句読点・空白等も原典のまま)
これぞ、軍人蔑視の最たるもの。“反戦平和主義者”の正体見たり、です。
私は、こういうことを言う人たちを軽蔑します。
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-04 00:25 | 政治・軍事・外交
前のエントリーの続きです。

その前にイラクの現況ですが、バグダッドとその周辺に関する生の声が「Falluja, April 2004 - the book」の3月2日のエントリーで紹介されています。
このサイトは、紹介文↓にあるようにイラクでもスンニ派(旧政権派)地域の情報を多く紹介しています。
現代企画室刊『ファルージャ 2004年4月』を引き継ぐ形で、同書共訳者2名がファルージャおよびイラクについてのニュースなどを英語から日本語にして紹介しています。
その性格上、反米的な意見が多くなるのは自然ですが、それもイラクの現地の声です。
注目すべきは、英語で情報を発信できない市井の人が「犯人はサウジアラビア(ワッハーブ派が主)から来た」「いやイラン(シーア派が主)から来た」と言っていることです。
「犯人はイラク人でないという、共通認識が生まれているようです。
またイラン人が爆破した、撮影していたテレビクルーが射殺されたという目撃証言もあるようです。
事態は決して鎮静化していない、とも。
以上は いけだよしこ 氏の翻訳による記事からですが、益岡賢氏の翻訳による2月28日のエントリーでは“反米風味”が妙に強調されています。訳者の趣味でしょうか?

私には、真偽はどうあれ「犯人は外国人だ」の声に「イラク人としての連帯感」が感じられて、希望が持てる気がします。決して楽観はできませんが。

さて本題。
今回もそうですが、“反戦平和主義者”たちが反応しない事件として思い出されるのは、昨年11月9日、イラクの隣国ヨルダンの首都アンマンで、三箇所の高級ホテルが爆破され、新郎新婦を始め結婚式に参列していた人たちなどが大勢犠牲になった事件。
後にイラク人女性が「自爆に失敗した犯人」として逮捕され、テレビにもその映像が流されましたが、“反戦平和主義者”の間ではイスラエルによる陰謀説が囁かれた程度で、犯人に対する非難は見られませんでした。
「イスラエル人によるパレスチナでの暴力」に対する反応とは、雲泥の差です。
※このニュースについては、現在見ることのできるソースが減っており、かろうじて「イスラム関係ニュースの倉庫」に残っています。
※事件の発生については11月10日のエントリー、捕らえられた犯人については11月14日のエントリーをご覧下さい。

もう一つ、彼らのダブルスタンダードを象徴するのが、イタリアのテレビ局の報道を発端とした「白燐弾」騒動。
極めて一般的に使われている、白燐を使った照明弾や発煙弾が、これも昨年11月頃から“世にも恐ろしい焼夷兵器”・“悪逆非道の化学兵器”としてキャンペーンされた話です。
一昨年のファルージャでの戦闘での話を、スクープとして取り上げたもので、その波及効果は大きく、パレスチナから情報を発信するサイト・ナブルス通信 「パレスチナ・ナビ」のブログ「P-navi info」では「ファルージャで使われた白燐弾がパレスチナでも!」というエントリーが立ったほど。
もう、完全に“非人道兵器”扱いです。

これについては、井上孝司氏がサイト「Kojii.net」の昨年11月21日のコラム「白燐弾の話と貧困空軍の話」で一蹴されています。
また多くの軍事に詳しい人たちによって検討を加えられ、“トンデモ”であることが証明されています。
詳しくはJSF氏のブログ「週刊オブイェクト」の「白リン弾」カテゴリーや、ホームページ「軍事板常見問題 Daily FAQ in 2CH」の「WP Rhapsody, Iraq FAQ」をご覧下さい。
ブログ「愛・蔵太の気ままな日記」の11月20日のエントリーも、参考になります。
ウィキペディアの「白燐弾」の項には、控えめにこう↓あります。
近年、イラクにおいてアメリカ軍が使用している、白燐を使用した手榴弾、砲弾が非人道的な化学兵器であるとの報道がイタリアのテレビ局RAI、毎日新聞[1]、イギリスの新聞ガーディアン などの一部マスコミよりなされたが、上記のように白燐弾は大量破壊兵器、化学兵器の定義には該当しない。また白燐を使用した発煙弾は第一次世界大戦から使用されている(説によっては更に遡る場合もある)兵器であり、その原理・構造は容易に調査が可能であることから、単なる誤解・調査不足であるとも考えにくい。
一部のブログ、多くのミリタリーマニアからは、反米・反戦のイデオロギーに基づくプロパカンダではないかと強く疑われている。
しかし“反戦平和主義者”の皆さんは未だ諦めていないようです。
先にも出てきた益岡賢氏は「燐兵器」で自説を滔々と述べられていますし、先のウィキペディアの記述を“偏向”と非難する「★阿修羅♪」への投稿もあります。
※左系にもっと偏向した記述には「だんまり」なのに。

infoseek を“白燐弾”で検索するとトップに来る「燃える雨-白燐弾についてのまとめサイト-」。
タイトルを読むと、いかにも中立的な立場でまとめられたサイトのように思えます。
しかし実際は、ブログ「模型ダイアリー」のブログ主 D_Amon 氏と並び、“白燐弾・非人道兵器説”の二大巨頭(?)である、ブログ「FWF -フットボールは未来の兵器である-」のブログ主、masterlow 氏が自らの主張に合う資料のみをまとめたサイトです。
「ファルージャの白燐弾騒動」は終息していないのでしょうか?

これだけ、アメリカ軍による“非人道兵器”白燐弾の使用を非難する“反戦平和主義者”の皆さんのことです。
化学兵器を使用したのが“イラクの抵抗勢力”であったとしても、同じように非難するんでしょうか?
答えは「NO」です。

齊藤力二朗氏の「アラブの声」メーリングリストは、「日本の自衛隊員が戦死した」等の怪情報もありますが、“反戦平和主義者”の皆さんが信頼する現地情報の一つです。
そのメールの一つに「イラク抵抗勢力、首都の北方の米軍基地に化学弾頭弾4発発射、270人殺害」というものがあります。
 ファッルージャで米軍は科学性有毒ガスを使用したと様々な異なったソースが伝えているが、22日0:35掲載のイスラム・メモは特報で、抵抗勢力が化学弾頭ロケットを米軍基地に発射したと伝えた。
 抵抗勢力は現地時間21日朝8時15分頃バグダード北方のバラドにあるバクル米軍基地に、化学物質の弾頭を装備したロケット弾4発を撃ち込んだ。4発は2500人の米兵が駐屯している米軍基地内に落下した。この基地はイラクの北部方面と北東方面、北西方面の米軍へ支援・補給センターとされている。
 同基地内の情報筋は、「これらのロケット弾は爆発時に白色物質を発散させ、基地の北東部分に命中した。そこは米軍部隊が(イラク北部の)モスルに向けて進発準備中であった」と強調した。同筋はこの攻撃で米兵270人以上が死亡したと述べた。
【中略】
 このたびのバクル基地に対する抵抗勢力による化学攻撃は、占領軍がファッルージャを化学兵器で攻撃した数日後に起きた。抵抗勢力は過去にも、ハバーニーヤ、ハドバ、ラマーディー、モスル、ドウェイリバの各米軍基地攻撃に化学兵器を使用している。
【以降省略】
もし事実とすれば、“貧者の核兵器”と言われる化学兵器の、実に典型的な使用例になります。
アメリカ軍の「化学兵器の使用」が非であるのなら、“抵抗勢力”側にも非があるはずです。
しかし“反戦平和主義者”の皆さん(もっと正確に言えば“オルタナティブ方面”の皆さん)は、誰も“抵抗勢力”を非難せず、この情報そのものも無視しました。
これをダブルスタンダードと言わずして、何と言うのでしょうか?
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-03 22:51 | 政治・軍事・外交
2月15日のエントリーにも書きましたが、私がネット上で政治的な意見を口にするようになったのは、平成16年4月8日(木曜日)に発生した「イラク邦人拘束事件」がきっかけです。
参考までに、その時の中日新聞の記事(平成16年4月9日)↓を。
イラクで3邦人拉致『自衛隊撤退せねば殺害』 武装集団期限は3日」。
事件について語るなら、イラクについての詳しい知識が必要となります。
私もいろいろと調べ、アラブに詳しい人たちのウェブサイトも知りました。
それ以来、私はイラクに関心を持ち続けています。

そのイラクに関する、エキサイトの2月23日のニュースから。
◆ロイター2月23日
イラクでシーア派聖地のモスク爆破、宗派間の報復合戦に発展
 イラク中部サマラで22日早朝、シーア派聖地の「アスカリ廟」が爆破され、金色のドームが崩壊したことを受け、宗派間の報復合戦に発展している。
2月22日のアスカリ・モスク爆破事件は、その後大規模な宗派間抗争に発展して多くの人の命を奪いました。
時間が経過してようやく人々が冷静さを取り戻し、28日のニュースでは
◆ロイター2月27日
バグダッドの外出禁止令解除、市内は比較的平穏
 イラクでの宗派抗争の激化を受けて3昼夜にわたり発令されていた首都バグダッドの外出禁止令が解除され、市内は比較的平穏な状況に戻っている。
 ロイターのジャーナリストによると、通りには車が戻り、交通警官の指示に従って走行。市民は自由に移動し始めている。
昨日(3月1日)のニュースでは
◆読売新聞3月1日
イラクで内戦回避の方向、連立交渉は妥結見通しなし
 事態の改善には、「内戦の危機」(タラバニ大統領)を訴え、国民融和を演出した各指導者の役割が大きい。シーア派最大会派「統一イラク同盟」(128議席)指導者のハキム師は24日、「スンニ派の犯行ではない」と明言。対スンニ派報復テロに自派民兵組織が関与した統一同盟の強硬派サドル師も24日、同民兵組織の活動抑制を発表した。
 シーア派の「善意」にスンニ派連合「イラク合意戦線」(44議席)も応え、25日夜、事件直後からボイコットしていた各派間の対策協議に初めて参加。さらに、謝罪や賠償などシーア派に突きつけた要求の多くも取り下げ、連立交渉再開に応じる姿勢を示している。
 両宗派が妥協したのは、「内戦が自派の利益にならない」(消息筋)との打算があるからだ。人口の6割を占めるシーア派は「民主選挙を通じた多数派支配」を最大戦略としており、この枠組みを崩すほどの不安定は望まない。一方、先の国民議会選に初参加したスンニ派にも、イラク戦争後の武装闘争でかえって権力を失ったとの反省は強い。
 ただ、今回の事件で各派間の対立が顕在化し、連立交渉成功へのハードルを高めたと見る向きは多い。
 特に、サドル師派が報復テロに関与、イラク政治への影響力を見せつけた衝撃は大きい。同師は多国籍軍の早期撤退を要求、同様の立場を取るスンニ派との橋渡し役が期待されていた。
と、イラク国内の各宗派/政治勢力が、事態がコントロールできなくなる前に収拾しようとした事に触れています。

爆破されたアスカリ・モスクについては、orientlibrary さんのブログ「イスラムアート紀行」の2月25日のエントリーをご覧下さい。
また、日本に伝えられないイラクの情報を知るには、ブログ「イラク:Terrorist or Resistance ?」の2月24日のエントリーが役に立ちます。
“反戦平和主義者”御用達の「バグダードバーニング by リバーベンド」でも2月23日のエントリーで現地の情報が伝えられています。

私個人としては、こちらの事件↓も関連しているように思われます。エキサイトのニュースから。
◆ロイター2月25日
アルカイダ、サウジアラビアの石油施設攻撃で犯行声明
◆ロイター2月27日
サウジ軍、石油施設攻撃に関与したと見られる武装集団を殺害

今回の事件の首謀者たちの目的が、これまで以上のイラク国内の混乱にあることは間違いありません。
イラクの治安回復を喜ばない勢力、おそらくはワッハーブ派(サウジアラビアの支配的宗派)の外国人勢力は、これまでも治安部隊に応募するイラク人を殺害したり、宗派対立を煽るべく市場を爆破したりしていました。
今回の事件は、その最たるものといえるでしょう。
彼らの狙いは米英軍のイラク撤退を阻止し、「米英とアラブの対決」の図式を維持することのようです。
そのために意味無く殺される、イラクの一般民衆。
そのイラクの一般民衆に同情を寄せるなら、彼ら外国人勢力と、その下っ端として行動するイラク人を非難すべきでしょう。

ところが、イラクの一般民衆に深く同情を寄せているはずの日本の“反戦平和主義者”の皆さんは、この事件に関してはまるで他人事で、犯人を非難するという論調はどこにもありません。
米英軍やイラク警察の横暴には敏感に反応し、徹底的に非難する彼ら。
その彼らが、民間人の大量殺戮を狙った宗教施設への攻撃を非難しないのは何故でしょう?
彼らの言うことを具体的に見てみましょう。

まずは、有名なシバレイ氏のブログ。
◆「シバレイのblog 新イラク取材日記
◆「シバレイのたたかう!ジャーナリスト宣言。
2月27日のエントリーでそれなりの分析をされていますが、事件そのものについては、声高に非難することを避けている印象があります。
しかもまるで「アメリカ軍がイラクに居続けたいから、わざと治安を悪化させている」みたいに受け取れる文章です。
しかし、早くイラクに親米政権を作って足を抜きたいのが本音のアメリカ軍が、本当にそんなことをするのか極めて疑問。
反米フィルターをかけていては、真実が見えないのでは?

次は「Peace On Iraq」。
こちらも同様です。
2月25日のエントリーで状況を伝えてはいます。
が、犯人たちについてのコメントは無し。そのくせ「イラク人の米軍に対する敵意」は強調。
日本国憲法第9条を説くのなら、今のイラクでどう実践すべきか具体例を聞かせて欲しいものです。

「イラク報告会」という講演会を、精力的に開いている高遠菜穂子氏。
彼女の「イラク・ホープ・ダイアリー」も、この事件については全く触れていません。
この方は以前も、ご自分の主張に都合が悪い事件については完全に沈黙し(斎藤昭彦氏の事件等)、そうでない事件については素早い対応(イタリア人ボランティアの事件等)でしたから、今回も講演会の場を含めて、事件を語ることは無いでしょう。
いったい、イラクの何を報告する報告会なんでしょうか?

おまけで、アメリカの“反戦平和”女性団体「CODEPINK」の活動を伝えるグランピーさんのブログ「気まぐれ日記」の2月24日のエントリー
「CODEPINK」の活動も「イラクの平和のために」と言いながら、結局は「反アメリカ政府運動」に留まっていて、イラク国内で現実に治安を乱すべく活動している武装勢力に対するアピールは何も無し。
日本で呼応する動きがあったとしても、只の「NO WAR!」立て札を掲げた“反米反戦”デモくらいでしょう。
桃色ゲリラ」のような、軽い乗りの。
※ちなみに「桃色ゲリラ」の関連で、こんなページもあります。私は見て、嫌悪感を持ちました。

前回も同じような「緊急アピール」が他のブログのエントリーに転載され、私は内容に疑問を呈しました。
その時のコメント(1月18日投稿)を部分的に再録します。
ウラマー協会を始めとして、反政府の立場を取る人々が政治プロセスでの活動にシフトしつつある現在、イラクで武装闘争を行うのは外国人武装勢力と、その下っ端として使われるイラク人に絞られつつあります。
彼らはイラク国内の治安を乱し、宗派・民族対立を煽って社会を混乱状態のままに置き、米軍をイラクに足止めすることで利益を得続けようとしています。
「反米闘争は金になる」のですから。

もしこのアピールが奏功して米軍がいなくなったとしても、それまでにイラク軍・警察が一人立ちしていなければ治安は乱れたまま、民衆にとっては不幸なことに変わりありません。
だからこそ外国人武装勢力は、イラクの軍人と警察官、そしてその志望者を襲撃目標としているのです。
旧政権の軍隊と警察を解体し、イラクに混乱をもたらした米軍が面子を保ったままイラクを去るには、治安の安定が必須です。
一部の“反戦平和団体”は米軍を追い出すことには熱心ですが、その後のイラク人に平和をもたらすための(つまり治安を回復するために外国人武装勢力を駆逐するための)方策については全く提示しようとしません。
それが私には「イラク人をダシにした反米運動」としか見えず、不快になります。
結局はこの事件、彼ら“反戦平和主義者”の隠し持つ「反米」というベクトルには乗らないのでしょう。
「反米」にならなければ「反戦平和」を訴えない、そう受け取れる彼らの行動原理。
私はそれを嫌悪します。
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by Hi-Zettaisha | 2006-03-02 23:36 | 政治・軍事・外交
「竹島の日」の翌日、23日(木)のニュース23の「特集」コーナーは「竹島の日“日韓友情年”その後、これから」でした。
私は普段「ニュース23」を見ませんが、「ニュースJAPAN」が始まるまで時間があったので、少し見ていたのです。
番組冒頭から「堀江メール事件」で大失態を演じた民主党の鳩山幹事長が出演していましたが、まるで「お通夜」みたいでした。
筑紫さん。
あなたは民主党の大失態を追及すべきジャーナリストであって、民主党のお仲間では無いはずでしょう?
鳩山さんと一緒に暗い顔をしていて、どうするんですか?
言っても無駄なのは判っていますが。

さて本題です。
番組の案内にはこうあります(TBSホームページより引用)。
2005年は「日韓友情年」であったのをご存知でしょうか?
「韓流ブーム」が、日本と韓国の距離を一気に縮めることとなりましたが、昨年3月、その蜜月ムードは一変。
島根県が県の条例で2月22日を「島の日」に制定。これに韓国側が猛反発。地方自治体レベルでも韓国側から日本に交流を中止するという通告が相次いだ。
そんな中、「関係が悪化しているからこそ、交流を」と一人の韓国人の呼びかけによって、日本と韓国の民間レベルの交流が始まった。
そして、子供たちの涙の別れ....。しかし、両国の子供たちの間には、「竹島」という問題が解決されたわけではなかった。そんな子供たちの間でも、問題となる竹島問題とは何かを考える...。
何故か「竹島の日」が「島の日」になっていますが、これは多分、故意ではないでしょう(笑)
「竹島問題とは何かを考える」と言ってますから、番組なりの見解が聞けるかと思っていました。
ところが…

番組は、日韓の若者が一緒に遊ぶ光景を映します。
なぜか、日本人女性と韓国人男性の組合せばかりを映しますが…。
楽しく遊んだ後、若者が壁に寄せ書きをします。
日本人は「楽しかった」とか「また来ます」とか。
韓国人も同じようなことを書きますが、最後は皆「獨島は韓国の領土」で締めくくります。
インタビュアーが、日韓の若者に竹島問題を聞きます。
日本人(男)は自信無さそうに「仲良くなれればいいと思います」、韓国人(男)は「獨島は韓国の領土です。これは譲れません」と答えます。
最後に壁の寄せ書きの「獨島は韓国の領土」を映して、番組は終了します。

おや?
この番組のどこで「竹島問題とは何かを考え」たのですか?

日韓両国の領有権主張の根拠や背景に触れず、抑留された漁師さんの「酷い目にあった」の声だけで、漁具も船も没収され韓国の漁民のものになったことにも触れません。
日韓国交回復時に棚上げされたと説明し、直後に「島根県が「竹島の日」を制定して問題化」で経緯の説明終了。
実際はその間に、韓国側が竹島の自然を破壊しつつ、既成事実化のためにいろいろなものを造っています。
それに触れずに終わっていますから、まるで「島根県が悪い」みたいに受け取れます。

そして、楽しそうなお祭と、その後に残された言葉の紹介だけ。
「これは解決しそうにありません」というのが番組の結論ですか?
TBSさん、これでは「特集」の名が泣きますよ。

「隣国との真の友好を望むなら、お互いに主張すべきことを主張することが大切です。衝突を恐れて相手に媚びても、真の友好には結びつきません」。
私が同じ映像を使って番組を作るなら、こう締めくくるでしょう。
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by Hi-Zettaisha | 2006-02-28 23:34 | 政治・軍事・外交

今日は「竹島の日」

今日、2月22日は、島根県が制定した「竹島の日」です。
日本が近代国民国家として形を整える中で、必要となったのが支配権の及ぶ領域の確定。
2月22日は竹島が正式に国際社会から日本領と認められ、島根県の所管とされた日で、明治38年のことです。

米ソ冷戦下でたびたびクローズアップされ、国民の関心もそれなりにある“北方領土”(南千島と歯舞諸島・色丹島)に比べ、サンフランシスコ講和条約の調印から発効(日本の主権回復)の間のどさくさに紛れ、冷戦下の「味方側」韓国に奪取された竹島については、日本政府も事を荒立てたくなかったのか積極的に問題にすることを避けてきました。
しかし竹島を奪取されたということは、人の住めない小さな島々が奪われただけではありません。
領土の周りには領海があります。
日本は漁業資源に富む、竹島の周りの海も韓国に奪取されたのです。
韓国の李承晩大統領が「海洋主権」を宣言したのも、海に主眼を置いていたことを示しています。
漁場と漁船、そして命を奪われた島根県の漁師さんたちは、何もしない日本政府に絶望しました。

業を煮やした島根県が、竹島に国民の関心を集めようと「竹島の日」条例を制定したのが一年前。
日本国民に、竹島問題は浸透したんでしょうか?
未だに知らない人もいるかも知れません。
参考までに、資料を置いておきましょう。
◆「かえれ!竹島」←島根県が作成したホームページ
◆「竹島問題」←竹島問題が判りやすくまとめられたホームページ
◆「Toron Talker」←日韓間の問題全般を扱ったホームページ

一年前の大騒動も記憶に新しいところですが、未だに韓国は対馬侵略(応永の外寇)を記念した「対馬島(テマド)の日」を取り下げていませんし、今日の式典を妨害する運動家たちを日本に送り出しています。
日本本土より朝鮮半島に近い島々は、例え日本人が住んでいても韓国領なんでしょうか?
彼らが「侵略的」と非難する日本より、彼らの行動の方が遥かに侵略的に映ります。
そして日本の“反戦平和主義者”と自称する人たちがそれを問題視しないのも、毎度のことながら奇妙です。
「ともかく平和であれば、領土を取られようが他人の生命・財産を奪われようがOK」なのですから、まぁ当然といえば当然のことですが。

ニュースを拾ってみました。
島根県の地元紙「山陰中央新聞」には、昨日の「島根県が竹島担当スタッフ配置へ」の記事↓だけのようです。
島根県が竹島担当スタッフ配置へ
島根県は新年度、竹島の領有権確立に向けての世論啓発を目的に、県総務部総務課に課長級の担当職員1人を配置する。設置期間は08年度までの3年間。県民の関心度引き上げに向けた目標値を掲げて、世論喚起に取り組む。
鳥取県の地元紙「日本海新聞」はどちらかと言えば左翼的で、“日韓友好”を前面に出した記事↓を出しています。
きょう「竹島の日」 関係修復求める声相次ぐ
島根県日韓親善協会連合会の水津卓夫会長は「双方が筋張っていても問題は解決しない。時間はかかるかもしれないが、『竹島の日』条例、『独島の月』条例ともに破棄されることが、関係修復のために必要ではないか」と指摘する。
「対馬島の日」はどうするんでしょう?
「九州の話だから、知ったことじゃない」なんですかね。
次に、エキサイトの記事(共同通信社の配信記事)を二本。
「竹島の日」で式典開催 島根県警は250人態勢
昨年3月に竹島の日条例が成立した際には、抗議行動のため来日していたソウル市議が議会棟の玄関付近でカッターナイフを出し、取り押さえられる騒ぎになった。
この人は今回も来るそうですが、同じことをするんでしょうか。
「竹島の日」で式典開催 韓国男性が抗議も
式典で澄田信義知事は「条例で国民世論の喚起という意味では大きな成果が得られた。国に対して解決に向けた粘り強い交渉を求めていく」などとあいさつした。
自国領土の防衛に及び腰(無関心?)の長崎県知事や沖縄県知事と違って、こういう姿勢に関しては評価するべきでしょう。
「竹島の日」条例に反対するため韓国から来日していた男性が、県庁舎の近くで「独島は韓国領土」などと書いたポスターを掲げ抗議した。
日本人が韓国で同じことをしたら、無事に帰国できるんでしょうか?
例え一部の人間とはいえ、「日本人には何をしてもいい」と考える韓国人が現実にいますからね。

韓国の反応はブログ「大空のサウラビ・・切除の果てに悔いなし」が詳しいです。
ブログ「厳選!韓国情報」も詳しいです。
最後は産経新聞の記事(大阪夕刊)
「竹島の日」 会場周辺騒然 松江
一方、昨年三月に同県庁で刃物を取り出すトラブルを起こした、政治団体「大韓民国独島郷友会」会長の崔在翼ソウル市議(50)らは、式典を阻止する抗議行動を会場近くの県庁などで行うと表明。周辺は大勢の警察官や報道陣で騒然とした。
「阻止」って…。
日教組の教研集会を街宣右翼が妨害するように、大音響でがなりたてるんでしょうか?

小泉総理は、領土問題に冷淡なようです。
現に奪われている“北方領土”でも竹島でも、外国に領有を主張されている対馬・尖閣諸島・沖縄についても、特に行動を起こす様子はありません。
次の総理(安倍氏か麻生氏か)に期待するしかないんでしょうか…。
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by Hi-Zettaisha | 2006-02-22 22:56 | 政治・軍事・外交